これが物理学だ!
著 者:
ウォルター・ルーウィン
出版社:
文藝春秋
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デカルトの誤り
著 者:
アントニオ・R・ダマシオ
出版社:
筑摩書房
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遺伝子が語る免疫学夜話
著 者:
橋本求
出版社:
晶文社
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意識と自己
著 者:
アントニオ・R・ダマシオ
出版社:
講談社
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宇宙はなぜ美しいのか
著 者:
村山斉
出版社:
幻冬舎
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快感回路
著 者:
デイヴィッド・J・リンデン
出版社:
河出書房新社
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オリヴァー・サックスの本、どれを読む?

著者案内オリヴァー・サックスの画像

さまざまな奇妙な神経学的な症例を人間味あふれる「患者の物語」として描く

日本でも著名な脳神経科医・作家のオリヴァー・サックス。

高度の神経学や心理学においては「病気の研究とその人のアイデンティティの研究とは分けることができない」と述べ、このことを「アイデンティティの神経学」と名づけている(参考『妻を帽子とまちがえた男』)

機械的な医学に異議を唱え、さまざまな奇妙な神経学的な症例を人間味あふれる「患者の物語」として描いている。それは、事故や病気や発達障害などによって、さまざまな困難や身体的変化に直面した有機体(人間)が、その状況に適応し、生き抜こうとする姿を描いた物語。

その描写をとおして、さまざまな物質の想像を絶するバランスによって健康が保たれていることや、脳の適応力のすごさ、潜在力、不可思議さが浮き彫りにされる。

「健康はいかなる病気よりも深遠なもの」(『レナードの朝』)という著者サックスの言葉が心に残る。

オリヴァー・サックスの書籍

2023年11月現在、オリヴァー・サックスの書籍(日本語版)は以下のとおり。ただし、記事執筆時点で「重版・増刷されていないために入手しにくい本で、NDC分類が4類自然科学でないもの」(『左足をとりもどすまで』『手話の世界へ』『オアハカ日誌』)は除外している。

知覚、記憶、意識といった、さまざまな角度から人間の本質を探究する『意識の川をゆく』

オリヴァー・サックスは亡くなる2週間前にケイト・エドガーら3人に本書の「内容のあらましを説明し、刊行の手配を託した」。「本人の手がける最後の書」である。人間の本質の探究という縦糸のもと、進化、知覚、記憶、意識、創造性をテーマとしたエッセイが編み込まれている。

【単行本】
意識の川をゆく
著 者:
オリヴァー・サックス
出版社:
早川書房
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老いや死と向き合いながら綴った4篇のエッセイ『サックス先生、最後の言葉』

80歳の誕生日の数日前に書き上げた1篇のエッセイと、末期がんを告げられた後に書いた3篇のエッセイからなる、約60ページの本。老いや死を見つめ、自分の人生を見つめ、その想いを綴っている。

【単行本】
サックス先生、最後の言葉
著 者:
オリヴァー・サックス
出版社:
早川書房
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青年期以降を赤裸々に描き出した自伝『道程 オリヴァー・サックス自伝』

『タングステンおじさん』で、化学に魅せられた少年時代を綴った。『道程 オリヴァー・サックス自伝』では、その後となる青年期以降を赤裸々に描き出している。著者が何に夢中になり、どのような恋愛をし、どんなふうに仕事に取り組んできたのかなど、その生き様を、家族や友人との交流など多彩なエピソードをとおして浮き彫りにする。

【単行本】
道程 オリヴァー・サックス自伝
著 者:
オリヴァー・サックス
出版社:
早川書房
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さまざまな幻覚の事例によって、知覚の奥深さが浮かび上がる『幻覚の脳科学』

幻覚に焦点を絞って論じた一冊。精神に異常がなくても幻覚を経験する。幻視、幻聴、幻嗅、体外離脱体験、自己像幻覚、幻肢など、さまざまな事例が登場する。「幻覚は想像とはちがうもので、知覚にかなり近い」という。神経基盤に関する考察や、幻覚は私たちの文化に影響を及ぼしてきたのかといった視点からの論考もある。

【ハヤカワ文庫NF】
幻覚の脳科学
著 者:
オリヴァー・サックス
出版社:
早川書房
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視覚障害を中心に、その困難に適応していく人々を描き出す『心の視力』

視覚失認症、失読症、相貌失認症(失顔症)、立体視、視覚心像など、おもに視覚をテーマとし、 それにまつわる研究の歴史や神経基盤の説明を織り込みながら、障害の困難に適応していく人々を描き出している。また、著者自身の視覚障害についても綴っている。

【単行本】
心の視力
著 者:
オリヴァー・サックス
出版社:
早川書房
No image

音楽と精神・身体との不可思議な関係を浮き彫りにする『音楽嗜好症(ミュージコフィリア)』

本書は4部(29章)からなる音楽をテーマにした医学エッセイ。第1部では、音楽に反応して発作を起こす人、音楽の幻聴を経験する人など、「音楽に憑かれた人々」を描く。第2部では、「音楽の才能」について見ていく。第3部では、記憶や運動の障害と音楽について考察する。失語症やパーキンソン病における音楽療法の話題などが登場。第4部では、感情と音楽について論じる。認知症における音楽の効果などについて述べている。

【ハヤカワ文庫NF】
音楽嗜好症(ミュージコフィリア)
著 者:
オリヴァー・サックス
出版社:
早川書房
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化学に魅せられた少年時代を綴った自伝。そのエピソードを通して、さまざまな元素に関する知識および化学史に触れられる『タングステンおじさん』

医者である父母、歳の離れた兄たち、化学や物理、植物に詳しい叔父叔母たちとの交流を中心に、化学に魅せられた少年時代を丹念に綴っている。化学にまつわるエピソードのみならず、疎開先での恐怖体験、信仰についてなど多彩なエピソードが織り込まれている。

【ハヤカワ文庫NF】
タングステンおじさん
著 者:
オリヴァー・サックス
出版社:
早川書房
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「先天性全色盲」および「リティコ – ボディグ」をメインテーマとした、読ませる「ミクロネシア探訪記」『色のない島へ』

オリヴァー・サックスは、二度にわたってミクロネシアを旅した。それぞれの旅は「異なる目的」でなされたが、それを二部構成のかたちで一冊の本にまとめている。「先天性全色盲」をとりあげているのが、第一部「色のない島へ」で、これが書名になっている。第二部「ソテツの島へ」は、「グアム島」「ロタ島」の二つの章からなり、「グアム島」で「リティコ – ボディグ」について論じている。

【ハヤカワ文庫NF】
色のない島へ
著 者:
オリヴァー・サックス
出版社:
早川書房
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さまざまな困難や身体的変化に直面した有機体(人間)が、その状況に適応し、自らを再構成していくことをテーマにした七つの物語『火星の人類学者』

一つめは、色覚を喪失した65歳の画家の物語。二つめは、新しい記憶を取りこめなくなった「最後のヒッピー」の物語。三つめは、「トゥレット症候群の外科医」の物語。四つめは、50歳になってから視力を取り戻し、見ることを学ぶ男の葛藤の物語。五つめは、故郷を「追想」によって描き出す「記憶の画家」の物語。六つめは、非凡な視覚的記憶力と絵画能力をもつ自閉症の少年の物語。七つめ(最後)は、自閉症の博士の物語。

【ハヤカワ文庫NF】
火星の人類学者
著 者:
オリヴァー・サックス
出版社:
早川書房
No image

さまざまな奇妙な症状が浮かび上がる、人間味あふれる「患者の物語」を24篇収録した『妻を帽子とまちがえた男』

高度の神経学や心理学においては「病気の研究とその人のアイデンティティの研究とは分けることができない」と述べ、このことを「アイデンティティの神経学」と名づけ、人間味あふれる「患者の物語」を綴り、考察している。

【ハヤカワ文庫NF】
妻を帽子とまちがえた男
著 者:
オリヴァー・サックス
出版社:
早川書房
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特異な症状を来たした脳炎後遺症患者の症例を「伝記的」アプローチで描き出し、人間の本質に迫る『レナードの朝』

当時「奇蹟の薬」と呼ばれたL – DOPAの投与による脳炎後遺症患者それぞれの「目覚め」と、その後の試練・順応を「伝記的」アプローチで描き出し、このような患者たちに対する医学のあるべき姿を見つめ、人間の本質に迫っていく。

【ハヤカワ文庫NF〔新版〕】
レナードの朝
著 者:
オリヴァー・サックス
出版社:
早川書房
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オリヴァー・サックスの最初の著書。片頭痛を幅広く詳細に論じた大著『サックス博士の片頭痛大全』

まず片頭痛研究の歴史をたどり、第一部・第二部で片頭痛の様々なタイプと発生要因について多数の症例を交えて概観する。第三部で片頭痛の生理学的基礎について考察し、さらに行動学的および心理学的側面から見ていく。第四部で治療について述べ、第五部で片頭痛による幻覚を取り上げる。

【ハヤカワ文庫NF】
サックス博士の片頭痛大全
著 者:
オリヴァー・サックス
出版社:
早川書房
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オリヴァー・サックスの本、どれを読む?

人間味あふれる「患者の物語」というのは、ほとんどの著書にあてはまるので、どの著書を読んでもオリヴァー・サックスらしさが感じられるのだが、はじめの一冊として私がおすすめしたいのは、『火星の人類学者』。七つの物語に絞られているので、一つ一つの物語の質が高い。

【ハヤカワ文庫NF】
火星の人類学者
著 者:
オリヴァー・サックス
出版社:
早川書房
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『火星の人類学者』ではなく、先に出版されている『妻を帽子とまちがえた男』(24篇収録)を選んでもオリヴァー・サックスの本がどのようなものか、そのイメージを掴める。

【ハヤカワ文庫NF】
妻を帽子とまちがえた男
著 者:
オリヴァー・サックス
出版社:
早川書房
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代表作として最も知られているのは『レナードの朝』。本書は映画の原作として有名なのだが、上述したとおり、脳炎後遺症患者の症例を描き出したものであり、〝小説ではない〟ので、映画の原作を読んでみよう(あるいは原作だから読まない)という考えで選ぶ本ではないことを強調したい。そして、もし代表作一冊のみ読みたい場合、選ぶのは『レナードの朝』になると思う。

【ハヤカワ文庫NF〔新版〕】
レナードの朝
著 者:
オリヴァー・サックス
出版社:
早川書房
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そして、もう一冊追加するなら、「本人の手がける最後の書」となった『意識の川をゆく』。知覚、記憶、意識といったテーマに興味があるなら、この本もおすすめしたい。

【単行本】
意識の川をゆく
著 者:
オリヴァー・サックス
出版社:
早川書房
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オリヴァー・サックスの生き様に興味を持ったら、自伝である『タングステンおじさん』(少年時代)、『道程 オリヴァー・サックス自伝』(青年期以降)を。

まずは、『火星の人類学者』(または『妻を帽子とまちがえた男』)、『レナードの朝』を読んで、もっと読んでみたくなったら、好みのテーマに合わせて、音楽なら『音楽嗜好症(ミュージコフィリア)』、視覚なら『心の視力』、幻覚なら『幻覚の脳科学』と、選んでいくのが良いのではないだろうか。

【ハヤカワ文庫NF】
火星の人類学者
著 者:
オリヴァー・サックス
出版社:
早川書房
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【ハヤカワ文庫NF〔新版〕】
レナードの朝
著 者:
オリヴァー・サックス
出版社:
早川書房
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オリヴァー・サックス profile

『意識の川をゆく』より(部分的に)引用。

1933年、ロンドン生まれ。オックスフォード大学を卒業後、渡米。2007~2012年、コロンビア大学メディカルセンター神経学・精神学教授、2012年からはニューヨーク大学スクール・オブ・メディシン教授をつとめる。2008年に大英帝国勲章コマンダーを受章。2015年没。

初投稿日:2023年12月01日

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