書評(脳/医学)
意識の川をゆく
- 著 者:
- オリヴァー・サックス
- 出版社:
- 早川書房
本書では、知覚、記憶、意識といったさまざまな角度から人間の本質を探究している。
サックス先生、最後の言葉
- 著 者:
- オリヴァー・サックス
- 出版社:
- 早川書房
脳神経科医オリヴァー・サックスが老いや死と向き合いながら綴った4篇のエッセイ。
美しき免疫の力
- 著 者:
- ダニエル・M・デイヴィス
- 出版社:
- NHK出版
免疫にまつわるさまざまな発見の物語と、免疫の知見にもとづく新薬開発や、がん免疫療法の開発の物語を描いている。
道程 オリヴァー・サックス自伝
- 著 者:
- オリヴァー・サックス
- 出版社:
- 早川書房
青年期以降を赤裸々に描き出した、脳神経科医オリヴァー・サックスの自伝。
脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか 脳AI融合の最前線
- 著 者:
- 紺野大地/池谷裕二
- 出版社:
- 講談社
「脳と人工知能の融合研究」の最先端を、著者らの研究を交えながら紹介する。
心の視力
- 著 者:
- オリヴァー・サックス
- 出版社:
- 早川書房
視覚障害を中心に、その困難に適応していく人々を描き出す。視覚失認症、失読症、相貌失認症(失顔症)、立体視、視覚心像など、おもに視覚をテーマに論じている。
ウイルス、パンデミック、そして免疫
- 著 者:
- アラップ・K・チャクラボルティー/アンドレイ・S・ショウ
- 出版社:
- ニュートンプレス
感染症にどのように立ち向かってきたのか、古代から現代までの歩みを描く。
幻覚の脳科学
- 著 者:
- オリヴァー・サックス
- 出版社:
- 早川書房
脳神経科医オリヴァー・サックスが、幻覚に焦点を絞って論じた一冊。さまざまな幻覚の事例によって、知覚の奥深さが浮かび上がる。
脳はすこぶる快楽主義
- 著 者:
- 池谷裕二
- 出版社:
- 朝日新聞出版
「週刊朝日」の連載エッセイ「パテカトルの万脳薬」をまとめたもの(第三弾)。学術論文をネタに気楽な読みものに仕立て上げる。
音楽嗜好症(ミュージコフィリア)
- 著 者:
- オリヴァー・サックス
- 出版社:
- 早川書房
音楽をテーマにした医学エッセイ。音楽と精神・身体との不可思議な関係を浮き彫りにする。
新しい免疫入門
- 著 者:
- 審良静男/黒崎知博
- 出版社:
- 講談社
「免疫反応の流れがよくわかるように」解説した入門書。TLR(トル様受容体)研究の歴史を交え、TLRを一般レベルで詳しく解説。
小説みたいに楽しく読める免疫学講義
- 著 者:
- 小安重夫
- 出版社:
- 羊土社
免疫学の知識を見渡せる一冊。免疫学の研究の歴史を辿り、免疫の仕組みを解説し、その後でアレルギー・自己免疫疾患、がん治療における免疫療法などの話題を紹介する。
おすすめ本(脳/医学)
ミラーニューロンを一般レベルで詳しく知りたい方におすすめの本
- 著 者:
- ジャコモ・リゾラッティ/コラド・シニガリア
- 出版社:
- 紀伊國屋書店
ミラーニューロンの発見者が、解剖学的・機能的な記述と豊富な実験データを交えながら、ミラーニューロンの発見とその意味合いを一般向けに詳しく解説。
「こころ」の脳科学の基礎知識を〝要領よく〟得たい方におすすめの本
こころ、情動、感情、こうしたことについて考えるための、さまざまな脳科学の知見を得ることができる『「こころ」はいかにして生まれるのか 最新脳科学で解き明かす「情動」』(櫻井武)をオススメ。
快感の脳科学に興味のある方におすすめの本
- 著 者:
- デイヴィッド・J・リンデン
- 出版社:
- 河出書房新社
専門的な解説と読み物としてのおもしろさを兼ね備えた読み応えのある本『快感回路』(デイヴィッド・J・リンデン)をオススメ。
神経科学を一般書レベルで学びたい方におすすめの本
- 著 者:
- デイビッド・J・リンデン
- 出版社:
- インターシフト
文庫版の書名は『脳はいいかげんにできている』。前半部分でしっかりと神経科学の基礎を解説し、その後で、「感覚と感情」「記憶と学習」「愛とセックス」「睡眠と夢」「宗教」といったテーマを論じていく。
「意識」を脳科学にもとづいて考えてみたい方におすすめの本
- 著 者:
- アントニオ・R・ダマシオ
- 出版社:
- 講談社
文庫版の書名は『意識と自己』。「ソマティック・マーカー仮説」で世界的に知られている神経学者ダマシオが、意識とは何か、意識はどのように構築されるのかを、自己に焦点をあて、オリジナルの用語を導入して独創的に描き出している。
共感覚を〝網羅的に〟知りたい方におすすめの本
- 著 者:
- リチャード・E・サイトウィック/デイヴィッド・M・イーグルマン
- 出版社:
- 河出書房新社
多種多様な共感覚の事例を網羅的に紹介し、共感覚の神経基盤を考察する『脳のなかの万華鏡』(リチャード・E・サイトウィック/デイヴィッド・M・イーグルマン)をオススメ。
記憶の脳科学〝入門書〟としておすすめの本
- 著 者:
- 井ノ口馨
- 出版社:
- KADOKAWA
脳科学の研究史を辿り、脳科学の基礎知識を伝授し、そして分子脳科学によって明らかにされてきた「記憶研究のフロンティア」を伝えた『記憶をあやつる』(井ノ口馨)をオススメ。
「人間や自己について」思索している学生におすすめの本
- 著 者:
- 井ノ口馨
- 出版社:
- 岩波書店
「脳科学、記憶研究」へ「若い俊才たち」を招待する『記憶をコントロールする 分子脳科学の挑戦』(井ノ口馨)をオススメ。
睡眠と記憶のかかわりを脳科学に基づいて考えてみたい方におすすめの本
〝脳で起きている凄いこと〟を約100ページにまとめた『眠っているとき、脳では凄いことが起きている 眠りと夢と記憶の秘密』をオススメ。(この本は約200ページ)
脳の適応力のすごさ、潜在力、不可思議さを感じたい、物語が好きな方におすすめの本
長年にわたり読み継がれてきた、脳神経科医オリヴァー・サックスの傑作。さまざまな困難や身体的変化に直面した有機体(人間)が、その状況に適応し、自らを再構成していくことをテーマにした七つの物語。
人の行動や思考と〝無意識〟との関係を脳科学に基づいて考えてみたい方におすすめの本
- 著 者:
- デイヴィッド・イーグルマン
- 出版社:
- 早川書房
いくつもの事例を積み重ねて、〝無意識〟の広大さを説いていく『意識は傍観者である 脳の知られざる営み』(デイヴィッド・イーグルマン)をオススメ。
感染症の病原体をつきとめていく生物学的手法、プリオン病の研究史、に興味がある方におすすめの本
- 著 者:
- 福岡伸一
- 出版社:
- 講談社
ノーベル賞を受賞したセオリーである「プリオン説」を批判的に再検討した『プリオン説はほんとうか?』(福岡伸一)をオススメ。
皮膚科学の知見をもとに、人のこころ、生命とは何か、を考えてみたい方におすすめの本
皮膚と脳との類似性を示し、「皮膚も脳である。言わば第三の脳だ」と「宣言」した『第三の脳』(傳田光洋)をオススメ。
睡眠の脳内メカニズムを知りたい方におすすめの本
- 著 者:
- 櫻井武
- 出版社:
- 講談社
脳科学の基礎知識をコラムの形で提供しながら、睡眠と覚醒の脳内メカニズムを解説した『睡眠の科学』(櫻井武)をオススメ。
脳に興味をもった人の「入門書」としておすすめの本
少数の高校生への講義をまとめた大好評の一冊『進化しすぎた脳』(池谷裕二)をオススメ。
脳の「不思議」を感じたい人へおすすめの本
脳への興味がさらに膨れ上がる。脳という〝ミステリー〟を楽しみたい方に『脳のなかの幽霊』(V.S.ラマチャンドラン/サンドラ・ブレイクスリー)をオススメ。
著者案内(脳/医学)
デイヴィッド・J・リンデンの本、どれを読む?
神経科学者デイヴィッド・J・リンデンは、ある日本人同業者に「神様のような存在」と称えられている。専門用語を交えた本格的な解説でありながら勉強的な雰囲気を感じさせない、おもしろい読み物に仕上げる名手。
デイヴィッド・イーグルマンの本、どれを読む?
現実とは何か。意識は傍観者である。デイヴィッド・イーグルマン(David Eagleman)は、ふだん気づきにくい私たち自身の謎を、豊富な事例を積み重ねて浮き彫りにする第一級の書き手。
井ノ口馨の本、どれを読む?
井ノ口馨は、記憶を分子レベルで研究しており、『セル』『サイエンス』などに発表した研究成果を記憶研究の歴史などを織り込みながら紹介している。著書の魅力は、記憶研究の歴史と最先端の研究成果を知ることができるところ。
櫻井武の本、どれを読む?
櫻井武は、覚醒を安定化させている神経ペプチド「オレキシン」の発見者として知られている。絶妙な解説で、「睡眠・覚醒」の脳内メカニズムに興味を持った一般読者を深く満足させる。
福岡伸一の本、どれを読む?
福岡伸一は、有名な科学専門誌『ネイチャー』に論文が掲載されたことがある生物学者。その確かな科学知識と美しい文体を融合させて、稀に見る、抒情に富んだ科学本をつくりあげている。代表作は大ベストセラー。
傳田光洋の本、どれを読む?
傳田光洋は、皮膚科学の見地から、人のこころや生命を語る。皮膚は「第三の脳」である。皮膚は個体と環境の境界である。そのような観点からの考察が魅力。
マイケル・S.ガザニガの本、どれを読む?
認知神経科学の世界的権威で、分離脳研究で知られているマイケル・S.ガザニガ。脳とこころの関係を、人間とは何かを、科学的な見地から論じる。
アントニオ・R・ダマシオの本、どれを読む?
「ソマティック・マーカー仮説」で知られる著名な神経学者アントニオ・R・ダマシオ。「脳」だけでなく「身体」も重要視した独創的な論考が魅力。
池谷裕二の本、どれを読む?
池谷裕二は、トップジャーナルである『サイエンス』に論文が掲載されたことがある現役の脳研究者。現役ならではの「最新知見」を盛り込んだ内容が大好評。
ジョゼフ・ルドゥーの本、どれを読む?
ジョゼフ・ルドゥーは「情動」研究の第一人者であり、恐怖の脳内メカニズムの研究者としてよく知られている。脳部位では、とくに「扁桃体」を詳細に解説。
V.S.ラマチャンドランの本、どれを読む?
幻肢の研究などで知られている神経科学者V.S.ラマチャンドラン。脳損傷患者の奇妙な言動の謎を「シャーロック・ホームズばりの探索」で解き明かす。
テーマ案内(脳/医学)
知覚の不可思議さを際立たせる「共感覚」
生物的なしくみが異なれば、享受している世界は異なる。この知覚の不可思議さを際立たせているのが「共感覚」と捉えたとき、この読書テーマは、きっと誰にとってもおもしろいものになる。
ミラーニューロンを知る
ミラーニューロンはまるで鏡のように他者を映し出す神経細胞であり、私たちの「共感」を支える細胞とも言われている。その発見は「生物学におけるDNAの発見」に例えられるなど、注目を集めた。