これが物理学だ!
著 者:
ウォルター・ルーウィン
出版社:
文藝春秋
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デカルトの誤り
著 者:
アントニオ・R・ダマシオ
出版社:
筑摩書房
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宇宙を創るダークマター
著 者:
キャサリン・フリース
出版社:
日本評論社
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意識と自己
著 者:
アントニオ・R・ダマシオ
出版社:
講談社
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物理学者のすごい思考法
著 者:
橋本幸士
出版社:
集英社インターナショナル
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量子革命
著 者:
マンジット・クマール
出版社:
新潮社
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道程 オリヴァー・サックス自伝

書籍情報

【単行本】
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著 者:
オリヴァー・サックス
訳 者:
大田直子
出版社:
早川書房
出版年:
2015年12月

青年期以降を赤裸々に描き出した、脳神経科医オリヴァー・サックスの自伝

著者オリヴァー・サックスは、『タングステンおじさん』で、化学に魅せられた少年時代を綴った。本書『道程 オリヴァー・サックス自伝』では、その後となる青年期以降を赤裸々に描き出している。著者が何に夢中になり、どのような恋愛をし、どんなふうに仕事に取り組んできたのかなど、その生き様を、家族や友人との交流など多彩なエピソードをとおして浮き彫りにする。

著書にまつわる話題も豊富

脳神経科医であり作家でもあるオリヴァー・サックス。最初の著書である片頭痛の本(日本語版の書名は『サックス博士の片頭痛大全』)を書いたときのエピソードや、代表作といえる『レナードの朝』に関するエピソードなど、著書にまつわるさまざまな話題が登場する。

科学者たちとの交流を描きながら、「脳と心の関係」について論じる

最後から二番目の章「心についての新たな展望」では、「脳と心の関係ーーとくに意識の生物学的基盤ーー」に関するフランシス・クリックとの議論を、彼との手紙を交えながら記している。

例えばこんな話がある。1986年、サンディエゴで行なわれた会議、その夕食時にクリックは著者サックスを見つけ出し、自分の隣に座らせて「症例の話をしてくれ!」と言った。とくに「視覚が脳の損傷や疾患で変容するケースの話」を望んだという。

その後サックスは、『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス』に書いた論文「色盲の画家の症例」をクリックに送り、それに対する返事(「ほんとうにびっくりするような手紙」)をもらった。その手紙の一部を引用しながら、彼との議論を紹介している。このようなかたちで、フランシス・クリックとの議論と交流を描き出していく。

また、この章では、ジェラルド・M・エーデルマンとのエピソードを織り込みながら、エーデルマンの神経ダーウィニズムについて論じている。著者はこう記している。「エーデルマンの説は、初の真に包括的な心と意識の理論、初めて個別性と自律性を生物学的に説明する理論だった。」

感想・ひとこと

これまでの著書を通して思い描いていたオリヴァー・サックスの人物像とは異なる一面が垣間見えた。『タングステンおじさん』、本書『道程』と読み進めれば、オリヴァー・サックスの人生が、彼自身の卓越した描写力によって、くっきりと浮かび上がってくる。

なお、NDC分類は「289.3」(個人伝記)だが、当サイトでは「脳/医学」に分類した。(書籍情報下に付けるキーワードは、脳神経科医の自伝なので「脳」とした。)

初投稿日:2023年10月25日

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