これが物理学だ!
著 者:
ウォルター・ルーウィン
出版社:
文藝春秋
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デカルトの誤り
著 者:
アントニオ・R・ダマシオ
出版社:
筑摩書房
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宇宙を創るダークマター
著 者:
キャサリン・フリース
出版社:
日本評論社
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意識と自己
著 者:
アントニオ・R・ダマシオ
出版社:
講談社
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物理学者のすごい思考法
著 者:
橋本幸士
出版社:
集英社インターナショナル
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量子革命
著 者:
マンジット・クマール
出版社:
新潮社
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村山斉の本、どれを読む?

「村山斉の本、どれを読む?」メイン画像

宇宙のはじまりに素粒子物理学で迫る。難解な素粒子理論のポイントを、すっぱり切り取って見せてくれる解説が好評

数物連携宇宙研究機構の初代機構長であり、2013年4月にはアメリカ芸術科学アカデミー会員に選ばれた村山斉。専門は素粒子物理学で、研究テーマには超対称性理論やニュートリノなどがある。

一般向けの講演活動も行っており、ほとんどの書籍は講演をもとに作られている。そのためか〝聞く読書〟といったイメージがぴったりとくる。難しすぎるところはさらりと避けて、ポイントのみをすっぱり切り取って見せてくれる解説が好評だ。

村山斉の書籍

本記事投稿時点(2014年9月23日)で、村山斉の著書は6冊(雑誌、監修等は除く)

6冊のなかで唯一の対話形式本。ヒッグス粒子の話題が多めの『村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか?』

『村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか?』は、対話形式で書かれている。「聞き手」は朝日新聞編集委員の高橋真理子。「ヒッグス粒子」の話題が書籍の3分の1を占める。小澤の不等式なども取りあげられている。

【朝日新書】
村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか?
著 者:
村山斉/高橋真理子
出版社:
朝日新聞出版
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ニュートリノが主役。ヒッグス粒子の話題もある『宇宙になぜ我々が存在するのか』

『宇宙になぜ我々が存在するのか』は、著者の研究テーマのひとつであるニュートリノが主役。素粒子の全般的な解説、ヒッグス粒子、インフレーション理論などの話題もあるが、ニュートリノへの興味の有無を購入の判断基準にしてよいのではないだろうか。ヒッグス粒子にはひとつの章を割いている。

【ブルーバックス】
宇宙になぜ我々が存在するのか
著 者:
村山斉
出版社:
講談社
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もっともやさしい宇宙論入門書。広く浅く知りたい人向けの『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』

『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』は、中高生を(たぶん小学校高学年も)読者対象としている。オーソドックスなタイプのやさしい宇宙論入門書。宇宙論は難しいと敬遠している大人ももちろん楽しめる。

【知のトレッキング叢書】
宇宙はなぜこんなにうまくできているのか
著 者:
村山斉
出版社:
集英社インターナショナル
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宇宙論。とくに暗黒物質(ダークマター)がメインの『宇宙は本当にひとつなのか』

『宇宙は本当にひとつなのか』のテーマは大きく括ると宇宙論で、そのなかでもとくに暗黒物質の解説に焦点があてられている。タイトルから想起されるマルチバースの話題はすこしだけ。宇宙の話題を幅広くとりあげている。

【ブルーバックス】
宇宙は本当にひとつなのか
著 者:
村山斉
出版社:
講談社
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カラー図版が多いが、価格が村山斉の他書よりあきらかに高い。宇宙と素粒子の話題がバランスよく配置されている『宇宙に終わりはあるのか?』

『宇宙に終わりはあるのか?』は、素粒子物理学の基本を解説しながら、宇宙の終わりからはじまりへと遡っていくような構成となっている。「宇宙の終わり」についてはあくまで話題のごく一部。話題作となった『宇宙は何でできているのか』とほぼ同時期に発売されているが、村山斉の本が出揃った今となっては、この価格の高さが気になるところ。

【単行本】
宇宙に終わりはあるのか?
著 者:
村山斉
出版社:
ナノオプトニクス・エナジー出版局
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もっとも話題になった本。宇宙の話題を交えながら、素粒子の標準模型の概要を解説した『宇宙は何でできているのか』

『宇宙は何でできているのか』は、村山斉をポピュラーサイエンスの人気著者に押し上げた話題作。宇宙の話題を交えながら、素粒子物理学の標準模型の概要を解説している。宇宙に興味があり、初期宇宙への興味から素粒子物理学の世界を覗き見してみたいという方の入門書にぴったり

【幻冬舎新書】
宇宙は何でできているのか
著 者:
村山斉
出版社:
幻冬舎
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村山斉の本、どれを読む?

興味の対象が「素粒子論」か「宇宙論」かによって分かれると思うが、素粒子論ならもっとも話題になった『宇宙は何でできているのか』を、宇宙論なら『宇宙は本当にひとつなのか』をおすすめ。テーマ不問でおすすめするなら、はじめの一冊としては、話題となった『宇宙は何でできているのか』がよいのではないだろうか。

やさしい宇宙論がよいなら『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』を選ぶとよいし、ニュートリノを知りたいなら『宇宙になぜ我々が存在するのか』をプラスするとよいかも。

村山斉の解説でヒッグス粒子を知りたいなら、『宇宙になぜ我々が存在するのか』『村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか?』のどちらかだが、ヒッグス粒子に限っていえば、聞き手がいろいろと突っ込むことで解説がふくらむ後者の方がおもしろかった。

『宇宙に終わりはあるのか?』はレイアウトも綺麗で好感の持てる単行本なのだが、価格と内容を考えると、この本1冊の金額で村山斉の新書が2冊読めるので、冒頭でおすすめした『宇宙は何でできているのか』『宇宙は本当にひとつなのか』の2冊を読むほうがよいのではないだろうか。

【幻冬舎新書】
宇宙は何でできているのか
著 者:
村山斉
出版社:
幻冬舎
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【ブルーバックス】
宇宙は本当にひとつなのか
著 者:
村山斉
出版社:
講談社
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村山斉 profile

『宇宙は何でできているのか』より(一部省略して)引用

1964年生まれ。86年、東京大学卒業。91年、同大学大学院博士課程修了。専門は素粒子物理学。東北大学助手等を経て2000年よりカリフォルニア大学バークレイ校教授。02年、西宮湯川記念賞受賞。07年、文部科学省が世界トップレベルの研究拠点として発足させた東京大学数物連携宇宙研究機構(IPMU)の初代機構長に就任。主な研究テーマは超対称性理論、ニュートリノ、初期宇宙、加速器実験の現象論など。

(引用、終。年代の漢数字はアラビア数字に変換して引用した)

2013年4月 アメリカ芸術科学アカデミー会員に選出される。

初投稿日:2014年09月23日

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