大栗先生の超弦理論入門 ——九次元世界にあった究極の理論

書籍情報

【ブルーバックス】
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著 者:
大栗博司
出版社:
講談社
出版年:
2013年8月
定 価:
本体980円+税

数式によらず「日本語の力」で超弦理論(超ひも理論)を解説

超弦理論は、重力の理論と量子力学を統合できる理論として期待され、究極の統一理論の最有力候補と目されている。しかし当初は、素粒子理論の傍流であり、「理論の病気」にかかっていた。そんな超弦理論がどのようにして注目を集めるに至ったのか。点粒子による無限大の問題からはじめ、発展の歴史を辿り、二つの「超弦理論革命」を臨場感あふれる筆致で解説する。そして「空間は幻想」の真意に迫る。

空間は9次元に決まる(時間を含めて10次元の理論)。次元の数が決まるのは「前代未聞」で「画期的」

「物理学の理論の多くは「次元」の数を選びません」と著者はいう。ニュートン方程式もマクスウェル方程式もアインシュタイン方程式も、3次元空間だけではなく、「次元フリー」で使用できるようだ。ところが超弦理論は9次元空間に決まるという。この〝9〟という数字がどう導かれるのか。オイラーのある公式を示しながら、ほぼ「言葉」で説明される。

(超弦理論は、時間を含めて「11次元の理論」と言われることもあり、その説明もある)

重力のホログラフィー原理。空間は幻想

「双対性のウェブ」「Dブレーン」と順を追って解説していき、マルダセナの対応(AdS/CFT対応)に代表される「重力のホログラフィー原理」の解説へと辿り着く。著者は、温度が「分子の運動から現れる二次的な概念」であるという例をあげながら、空間も二次的な概念であることを説明する。マルダセナの論文は、2010年に素粒子物理学の分野において、引用件数の歴代第一位となったそうだ。

ひとこと

「空間が基本的なものではないことは明らかです」と著者は言い切る。「はじめに」のなかで「物理学者は本来、突拍子もない話を好みません。むしろ、とても保守的な人々なのです」と述べている。その著者が「空間が基本的なものではない」と言うのだから興味深い。文系向けの超弦理論入門書の決定版だと思う。

初投稿日:2014年09月08日

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