「こころ」はいかにして生まれるのか
著 者:
櫻井武
出版社:
講談社
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「宇宙のすべてを支配する数式」をパパに習ってみた
著 者:
橋本幸士
出版社:
講談社
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免疫の意味論
著 者:
多田富雄
出版社:
青土社
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ブラックホールをのぞいてみたら
著 者:
大須賀健
出版社:
KADOKAWA
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これが物理学だ!
著 者:
ウォルター・ルーウィン
出版社:
文藝春秋
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皮膚感覚と人間のこころ
著 者:
傳田光洋
出版社:
新潮社
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素粒子論のランドスケープ2

書籍情報

【単行本】
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著 者:
大栗博司
出版社:
数学書房
出版年:
2018年4月

さまざまな媒体に掲載された、大栗博司の科学解説記事や対談・座談会の記録をまとめたもの

一般相対論と量子力学を統合する「究極の統一理論」として期待されている超弦理論。その専門家である大栗博司がさまざまな媒体に寄稿した、重力や素粒子論、超弦理論にまつわる解説記事をまとめて読むことができる。話題になった重力波の直接観測やヒッグス粒子の発見についての記事もある。

また、対談・座談会の記事は6本収録されており、その相手は多彩だ。大江健三郎(作家)・三浦雅士(文芸評論家)・原広司(建築家)との座談会もあれば、超弦理論の指導的研究者であるエドワード・ウィッテンの京都賞受賞に際して行われた専門家4人による座談会もある。ほかにも、女性誌に掲載された数学をテーマにした杉山明日香(サイエンスコーディネーター)との対談など、バラエティーに富んでいる。

本書の記事は25本で、その難易度は星の数で示されている。「☆は高校生でも気軽に読める記事」で20本、「☆☆は理系に興味のある学生や社会人を想定したもの」で5本と、読みやすい記事が多い。

「物理学の“魔法使い”」南部陽一郎の業績を概観できる

著者大栗博司による南部陽一郎の追悼記事(『日経サイエンス』に掲載されたもの)が収録されている。

(本書では、各記事の冒頭に「記事を書いた経緯などの解説」がつけられている。)本記事の冒頭では、南部陽一郎の業績に関してつぎのように記されている。

「南部さんは、独創的なアイデアと長期的な展望によって、前人未到の分野を開拓してこられました。そして、ノーベル物理学賞の授賞対象となった対称性の自発的破れの理論をはじめ、強い相互作用のカラー自由度とゲージ理論による記述の提案、弦理論の提唱など、現代の理論物理学の基礎となる偉大な業績をあげられました。」

難解な用語も出てくるが、記事の難易度は「☆」と気軽に読める内容で約20ページ。難しい部分に深入りはせず、私たち一般がその「偉大な業績」を見渡せるように、南部陽一郎の言葉・エピソード・写真を織り込みながら、丁寧に解説されている。

たとえば、ノーベル賞受賞記念講演の言葉が紹介されている。南部陽一郎は、こう述べたそうだ。「物理学の基本法則は多くの対称性を持っているのに現実世界はなぜこれほど複雑なのか。対称性の自発的破れの原理は、これを理解するための鍵となっています。基本法則は単純ですが、世界は退屈ではない。なんと理想的な組み合わせではありませんか。」

著者大栗博司は、偉大な理論物理学者の研究スタイルを「賢者」「曲芸師」「魔法使い」に喩える。そして、それぞれの代表的な研究者を挙げて、その研究スタイルの違いを「たとえ話」を紹介して浮き彫りにしている。記事を締めくくるそのストーリーからは、「魔法使い」南部陽一郎の先見性と偉大さが伝わってくる。

(引用の際に「,」は「、」にした。)

一冊の本で難易度の異なる解説に触れられる

重力とは何か、超弦理論とは何かを難易度「☆」のレベルでわかりやすく解説した記事もあれば、「ホログラフィー原理」や「量子もつれ」などを難易度「☆☆」のレベル(数式なし)で解説した記事もある。一冊の本で難易度の異なる解説に触れられるところが本書の魅力。

感想・ひとこと

気軽に読める一般向けの記事が多く、前作よりも手にとりやすくなっている。

初投稿日:2024年04月25日

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