これが物理学だ!
著 者:
ウォルター・ルーウィン
出版社:
文藝春秋
No image
デカルトの誤り
著 者:
アントニオ・R・ダマシオ
出版社:
筑摩書房
No image
宇宙を創るダークマター
著 者:
キャサリン・フリース
出版社:
日本評論社
No image
意識と自己
著 者:
アントニオ・R・ダマシオ
出版社:
講談社
No image
物理学者のすごい思考法
著 者:
橋本幸士
出版社:
集英社インターナショナル
No image
量子革命
著 者:
マンジット・クマール
出版社:
新潮社
No image

脳のなかの幽霊、ふたたび

書籍情報

【角川文庫】
No image
著 者:
V.S.ラマチャンドラン
訳 者:
山下篤子
出版社:
角川書店
出版年:
2011年5月

著者のリース講演(一般の人にもよくわかる講演)が本書のもと

幻肢、カプグラ症候群、共感覚などが起こる神経基盤を解説するほか、芸術を神経学の観点から推察するユニークな試みがある。最終章では、自己とクオリアという哲学的な問題も考察する。2005年に刊行された単行本に修正を加えて文庫化された。

カプグラ症候群とは何か。その神経メカニズムを考察する

カプグラ症候群とは、親しい人を偽物だと主張する奇妙な症状のこと。本書の患者さんは自分の母親を見て、母そっくりだが母のふりをしている偽物だと言う。彼はこの妄想以外はとくに問題がない。知的で、会話もなめらかで、情緒的にもほかの問題はない。この奇妙な症状の原因は、視覚と情動をつなぐ経路の断絶にあることが丁寧に解説される。

芸術を神経学的に推察する「神経美学」。著者がかかげる芸術の普遍的法則の一つが「ピークシフト」

「視覚イメージに対する美的な情動反応」という芸術の側面を考えれば、視覚中枢と情動中枢の結びつきは芸術にも関与しているはず、と著者は考える。芸術といっても国や時代により多様な様式があるが、この多様性の根底には「脳に共通の普遍的法則」があるとし、これらを神経学の観点から探る試みが「神経美学」。著者は、10の普遍的法則を掲げるところからはじめる。

たとえば、法則の一つである「ピークシフト」の解説は、ラットやセグロカモメのヒナの行動から、現代アートを購入する芸術愛好家のふるまいを照らしだすユニークな推察となっている。

ひとこと

本書はラマチャンドランの著書にしては薄い(新書レベル)。『脳のなかの幽霊』『脳のなかの天使』ともにボリュームがあるので、厚い本が苦手な方には本書がよいかもしれない。『脳のなかの天使』を読んだ方は、本書を読む必要はないと思う。

初投稿日:2014年09月05日

おすすめ本

著者案内

著者案内オリヴァー・サックスの画像「デイヴィッド・J・リンデンの本、どれを読む?」メイン画像「デイヴィッド・イーグルマンの本、どれを読む?」メイン画像「井ノ口馨の本、どれを読む?」メイン画像「櫻井武の本、どれを読む?」メイン画像「多田将の本、どれを読む?」メイン画像「リチャード・ドーキンスの本、どれを読む?」メイン画像「福岡伸一の本、どれを読む?」メイン画像「傳田光洋の本、どれを読む?」メイン画像「マイケル・S.ガザニガの本、どれを読む?」メイン画像「アントニオ・R・ダマシオの本、どれを読む?」メイン画像「池谷裕二の本、どれを読む?」メイン画像「リサ・ランドールの本、どれを読む?」メイン画像「ジョゼフ・ルドゥーの本、どれを読む?」メイン画像「V.S.ラマチャンドランの本、どれを読む?」メイン画像「村山斉の本、どれを読む?」メイン画像「大栗博司の本、どれを読む?」メイン画像

テーマ案内