時間の分子生物学 ——時計と睡眠の遺伝子

書籍情報

【講談社現代新書】
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著 者:
粂和彦
出版社:
講談社
出版年:
2003年10月
定 価:
本体740円+税

生物時計(体内時計)を遺伝子レベルで解説

私たちの体内では、概日周期(サーカディアン・リズム)と呼ばれる、ほぼ24時間周期の生物リズムが刻まれていることが知られている。本書は、この概日周期を刻む「生物時計(体内時計)」を遺伝子レベルで解説し、また、生物時計と密接な関係をもつという睡眠をとりあげている。1章〜4章が「生物時計」、5章〜8章が「睡眠」という構成。

人間などの哺乳類の場合、脳の「視交叉上核」が概日周期の中枢で、ここには約1万個の神経細胞があり、この一つ一つの神経細胞が完成した時計だそうだ。この小さな時計たちが同調して、大きな時計となっているようだ。

では、機械ではない生物は、どのようにして時を刻むのだろうか。本書によると、それはタンパク質の量の増減だそうだ。そして、「ネガティブ・フィードバック」と呼ばれる制御機能によって周期的な増減をつくりだしているようだ。本書では、生物時計に関係している遺伝子の発見経緯や「遺伝学の手法」などを解説したのちに、この生物時計のしくみを詳解している。

そしてなんと、生物時計のしくみが明らかになったことで、脳の視交叉上核だけでなく、全身の細胞が「時計」だったことがわかったそうだ。

睡眠の解説では、ハエの「原始的睡眠」、レム睡眠やノンレム睡眠、ナルコレプシー、オレキシンなどがとりあげられている。「生物時計は睡眠をどう制御しているか」という章もある。

ひとこと

人間の概日周期は約24時間とされているが、従来は「25時間周期」と言われていたそうだ。これは実験の条件などによる違いだそうで、こうした実験にまつわる話もある。本書は睡眠の話題もあるが、生物時計(体内時計)を遺伝子レベルで知りたい人向けの本だと思う。

初投稿日:2014年11月10日

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