<わたし>はどこにあるのか ——ガザニガ脳科学講義

書籍情報

【単行本】
No image
著 者:
マイケル・S.ガザニガ
訳 者:
藤井留美
出版社:
紀伊國屋書店
出版年:
2014年9月
定 価:
本体2,000円+税

分離脳研究で知られるガザニガが、脳科学の知見に基づき、意識、自由意志と責任、社会的行動などを論じたもの

著名な認知神経科学者ガザニガが行った二週間の連続講義をまとめたもの。本書は、脳科学の発展を辿り、また著者らの分離脳研究を紹介しながら、脳の働きを見ていくことからはじめる。ヒトの脳には、モジュールと呼ばれる「特定の仕事をする局所的かつ専門的な回路」がいくつも存在しており、脳は並列分散処理をしているという。モジュールの構築は「脳の大きさ」と関係があるようだ。

著者は分離脳の研究をとおして、「意識的経験とは、専門の能力を持つ複数のモジュールから生じる感覚なのではないか」と考える。「専門的な能力を発揮する領域が脳内で次々に見つかり、意識的経験がそうした領域と密接に結びついていることが判明したことによって、意識は脳全体に分散しているのだという見解に到達した」という。

脳は無数のモジュールで構成されており、脳に「ボス」はいない。そうであるなら、なぜ私たちは統一のとれた「わたし」を感じているのか。それは、左半球にある「インタープリター・モジュール」の働きによるというのが著者の主張だ。「インタープリター(解釈装置)」というのは著者らの命名。

意識に関する本書の見解は、つぎのようにまとめられている。「現在の神経科学では、意識は総合的な単一のプロセスではないというのが定説だ。意識には幅広く分散した専門的なシステムと、分裂したプロセスが関わっており、そこから生成されたものをインタープリター・モジュールが大胆に統合しているのだ。意識は創発特性なのである」と。

「自由意志」をどう考えるか、というのも本書の大きなテーマ。自由意志と責任の問題、私たちの社会的行動についても論じられている。

ひとこと

「神経細胞のつくり」についての話題もおもしろい。「神経細胞は全種に共通ではなく、特定の種だけが持ち、独特の特徴を持つ神経細胞が存在する」という「異説」が登場しているそうだ。

初投稿日:2015年05月25日

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