眠れなくなる宇宙のはなし
書籍情報
【宝島SUGOI文庫】
- 著 者:
- 佐藤勝彦
- 出版社:
- 宝島社
- 出版年:
- 2012年12月
【単行本(増補改訂版)】
- 著 者:
- 佐藤勝彦
- 出版社:
- 宝島社
- 出版年:
- 2016年10月
古代の宇宙観から最新のブレーン宇宙論まで、やさしく解説。ベストセラーとなった宇宙論入門書が文庫化された
古代インドや古代中国の宇宙観、古代ギリシャや古代ローマの合理的な宇宙観、地動説、ビッグバン宇宙論、インフレーション理論、ブレーン宇宙論など、さまざまな宇宙論をやさしく解説。
本書の特徴は、古代の宇宙観の執筆にも力を入れているところだろうか。とくに古代ギリシャの宇宙観は詳細にとりあげられている。自然哲学の祖とされるタレス、ピタゴラス、プラトン、アリストテレス、地動説を考えたアリスタルコス、地球の歳差運動を発見したヒッパルコス、ほかにもたくさんの人物がとりあげられている。
地動説といえばコペルニクスがまず思い浮かぶが、じつは、「コペルニクスは地動説を自力で思いついたわけではなく、アリスタルコスが唱えていた説を発掘した、「再発見」した」そうだ。
古代のあとは、中世、近代、そして現代へと歴史に沿って、難しい宇宙論をやさしく語っていく。ケプラー、ガリレオ、ニュートン、アインシュタイン、ほかにもたくさんの人物が登場する。
そして宇宙論の変遷を語り終えたあとで、宇宙について想うことが何の役に立つのか、著者の思いが綴られている。
本書の単行本は2008年に刊行された。大好評のベストセラーの文庫版。(2016年に単行本・増補改訂版が出版されている。)
ひとこと
古代の宇宙観も含めて宇宙論の変遷を辿りたい方には、本書がおすすめ。文系の宇宙論入門書として、中学生や高校生などの宇宙論入門書として、おすすめの一冊。古代の宇宙観は不要で、やさしい宇宙論の解説本をお探しなら、『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』(村山斉)がおすすめ。
初投稿日:2014年11月19日最終加筆:2023年02月09日