量子革命
著 者:
マンジット・クマール
出版社:
新潮社
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デカルトの誤り
著 者:
アントニオ・R・ダマシオ
出版社:
筑摩書房
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生物と無生物のあいだ
著 者:
福岡伸一
出版社:
講談社
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進化しすぎた脳
著 者:
池谷裕二
出版社:
講談社
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重力とは何か
著 者:
大栗博司
出版社:
幻冬舎
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ブラックホール
著 者:
マーシャ・バトゥーシャク
出版社:
地人書館
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宇宙のはじまりーー多田将のすごい授業

書籍情報

【イースト新書Q】
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著 者:
多田将
出版社:
イースト・プレス
出版年:
2015年5月

巧みな喩えを駆使して、「宇宙のはじまり」を語る。読みどころは、「宇宙が出来てから1秒後」の話

本書(全3章)の中核は、第2章だ。この章で、現在から「宇宙のはじまり」へと遡っていく。とくにスポットライトを当てているのは、「宇宙が出来てから1秒後」。このとき、元素合成が起こったことも解説しているのだが、著者が力を注いでいるのは、もうひとつの出来事。

「粒子と反粒子が対消滅して、粒子だけがわずかに残ったのが、宇宙が出来てから1秒後」だという。

宇宙の初期はとても温度が高く、粒子と反粒子がペアで生じ、ペアで消滅する、ということが繰り返されていたそうだ。具体的には、高いエネルギーの光(ガンマ線)から粒子と反粒子がペアで生まれ、その粒子と反粒子がぶつかると光になり、光から粒子と反粒子がペアで生まれ…、ということが繰り返されていたらしい。

ところが、宇宙は膨張しているため、時間が経つと温度が下がってくる。ある温度まで下がると、粒子と反粒子がペアで生まれなくなるそうだ。その温度が、宇宙が出来てから1秒後のときの温度だという。粒子と反粒子は新たに生じなくなるが、その温度になる前に生じていた粒子と反粒子は、ぶつかって光に変わってしまう。

ポイントは、粒子と反粒子はペアで生じ、ペアで消滅するということ。そうすると、宇宙は光だけの世界になってしまうはず。だが、この宇宙には、星や地球や私たち人間など、さまざまな物質(粒子)が存在している。粒子だけがわずかに残ったのだ。なぜなのか?

その理由を、こう記している。「その理由は、物質と反物質の性質、例えば寿命などが、完全に同じではなく、ごくわずかだけ異なっていたからだと考えられています」

対称性の破れ。「これこそが、現在、物理学最大の謎、最大のテーマなのです」。「対称性が破れていなければ、我々含め現在目にする姿の宇宙は存在していませんから、確かに最も重要なテーマです」と記している。

著者は、反物質とは何か、対生成、対消滅とはどのようなものか、というところから語り始め、「小林・益川理論」と「BELLE実験」へと話を展開していく。喩えを用いて、また、著者自身のエピソードも交えながら語っている。ここが、著者が最も力を注いでいるところであり、本書の読みどころだ。

もちろん、「宇宙が出来てから1秒後」の話だけではなく、現在から宇宙のはじまりへと遡っていく。喩えを駆使しながら。

第1章では、たとえば「温度とは何か」など、第2章を理解するために必要なことを説明している。アインシュタインの一般相対性理論、宇宙の膨張、ビッグバン、などの話題がある。

第1章と第2章は、西麻布にある「ワインバー&レストランGOBLIN」で著者が行った講演を元に加筆したもの。第3章は、「宇宙と物質のQ&A」という章題で、3つの講演(GOBLIN、逗子にある理科ハウス、一ツ橋にある共立女子中学高等学校)での質問から「本書の内容に合うものをピックアップしてまとめたもの」

ひとこと

著者の研究分野は素粒子物理学で、ニュートリノ実験を行っている。この本では、「宇宙のはじまり」を知るためには、素粒子物理学の知識が必要であることを浮き彫りにしている。(もちろん一般レベルで)。巧みな喩えを駆使しているのが、本書の特徴のひとつ。

初投稿日:2017年05月11日

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