読書する脳
書籍情報
- 著 者:
- 毛内拡
- 出版社:
- SBクリエイティブ
- 出版年:
- 2025年11月
脳科学や心理学の知見を紹介しながら、読書のメリットや効果を述べる
デジタル時代における読書習慣の現状から説き起こし、さまざまな脳科学や心理学の知見を紹介しながら、読書のメリットや効果を述べる。
本書の終盤では、読書の意義を「精神的自由」をテーマに考察している。著者は、まず、「「精神的自由」を失ってはいないか」という疑問を呈する。そして、「読書は、この精神的自由を育み、またそれを守るための有力な手段となる」という自身の考えを、「未完了感」「内的省察」をキーワードに述べていく。
なお、各章の冒頭には「問い」が提示され、最後にはまとめが置かれている。
著者略歴によると、毛内拡(もうない・ひろむ)の専門は、神経生理学、生物物理学。
どんな知見に触れられるか
以下に、どんな知見に触れられるか、主なものを羅列する。
「報酬系」という回路について、確証バイアスなどの認知バイアスについて、デフォルトモードネットワーク(DMN)と「反芻思考」について。
「意味を表す表意文字(漢字)」と「音を表す表音文字(仮名やアルファベット)」の脳内処理について。
認知バイアスと「脳の注意ネットワーク」について。
「過去の記憶や経験によって作られている脳内の予測モデル」(著者は「知恵ブクロ記憶」と名づけている)について。
記憶、ワーキングメモリ、スキーマ、シナプス可塑性について。
セルフトークと神経回路について。ポジティブセルフトークとネガティブセルフトークがそれぞれ、どのような神経回路を活性化させるか。
心の理論について。ミラーニューロンシステムと「代理体験」について。
ツァイガルニク効果について。
このような知見を紹介しながら、読書のメリットや効果を述べている。
読書法の話題がある
「快読」「精読」「音読」という3つの読書法について、その用語や概念、活性化される脳領域、メリットとデメリット、効果的に進める方法、について述べている。
また、「快読」と「精読」を決定的に分けるポイントとして「行間を読む」という作業を挙げている。「脳科学の視点で見れば、行間を読むことは非常に高度な認知作業」だという。「心の理論」の話題などが登場する。
読書の効果を高める方法としては、「クエスチョン立て(問いを立てる)」などを紹介している。
感想・ひとこと
読む箇所によって異なる印象を受けた。科学的知見を援用した〝読書啓発本〟という雰囲気を感じる箇所もあれば、〝脳科学や心理学の知見を一般向けに紹介している本〟という科学本らしい雰囲気を感じる箇所もあった。そんな二つの雰囲気が同居している本だと思う。
このレビューでは、どんな知見に触れられるかにフォーカスして本書を紹介した。































