これが物理学だ!
著 者:
ウォルター・ルーウィン
出版社:
文藝春秋
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デカルトの誤り
著 者:
アントニオ・R・ダマシオ
出版社:
筑摩書房
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宇宙を創るダークマター
著 者:
キャサリン・フリース
出版社:
日本評論社
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意識と自己
著 者:
アントニオ・R・ダマシオ
出版社:
講談社
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物理学者のすごい思考法
著 者:
橋本幸士
出版社:
集英社インターナショナル
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量子革命
著 者:
マンジット・クマール
出版社:
新潮社
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脳はすこぶる快楽主義ーーパテカトルの万脳薬

書籍情報

【単行本】
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著 者:
池谷裕二
出版社:
朝日新聞出版
出版年:
2020年10月

「週刊朝日」の連載エッセイ「パテカトルの万脳薬」をまとめたもの(第三弾)。学術論文をネタに気楽な読みものに仕立て上げる

『脳はなにげに不公平』『できない脳ほど自信過剰』に続く第三弾で、「週刊朝日」の連載エッセイ(2015年1月2ー9日号~2016年3月25日号)から抜粋して、加筆・再編集したもの(1篇3ページほど)。

著者の池谷裕二は脳研究者で、日課として、毎朝その日に出た学術論文(「神経科学や生命科学に関係した記事を中心に100~200報ほど」)に目を通すそうで、その中から「興味深い発見」をピックアップして、著者なりにまとめてエッセイに綴っている。

新しい感覚器官が与えられたら、脳はその感覚情報を活用できるのか

著者・池谷裕二らの論文を紹介するエッセイも登場する。

『ヒトの五感のしくみ』では、「新しい感覚器官が与えられたら、脳は柔軟に新たな感覚情報を読み解き、日常に活用できるでしょうか」と述べ、それを調べるために行った実験を紹介している。

著者らは、新しい感覚器官として、地磁気センサーの電子チップをネズミの脳に移植した。すると、「ネズミは方角の「意味」を解読し、これを活用してエサを探し出すことができた」という。

驚いたポイントとして、目の見えないネズミが自在に迷路を探索できたこと、また、「「大人」のネズミの脳でも、わずか2日間の訓練で、地磁気感覚を習得できた」ことを挙げている。

このエッセイでは、能力を制限しているのは脳ではなく身体だと述べている。

以下のような多彩なエッセイがある

『似た者が集うワケ』では、「類は友を呼ぶ」の原理を考察している。「長い進化の生存戦略として、脳に自然にインストールされた基本仕様」だそうだ。

『クセはボーッとした脳に宿る』では、MRIを用いて22~35歳の男女計126人の脳活動を記録し、脳活動のパターンから脳の持ち主を当てられるかを調べた研究を紹介している。「95%という驚異の正答率」で当てたそうで、つまり脳の使い方には個人差があるということになる。それは、いわば「脳紋」だという。

『「書こう」という意志の正体』では、精神と物質の関係を考察している。心は物質に作用するか。物質は心に作用するか。「熟思に足掻けば、深みに嵌る泥沼です」と結んでいる。

『生後3カ月でモラルは生まれる』では、善悪の感覚は「生後3カ月で早くも萌芽が見られ」ると述べている。こう続けている。「言語の獲得前ですから、モラルが言葉によって形作られるわけではないことがわかります」と。どうやって調べるのかというと、「視線」を使うそうだ。また、このエッセイでは、1歳児を対象としたモラルの調査方法とその結果を紹介している。

『アメンボの能力は驚異的』では、「水面をジャンプする世界初の機械」を作ることに成功したという話題を取り上げている。アメンボの「水面を蹴って高くジャンプする技」は驚異的で、この動作を模倣したロボットとのこと。

『人類のルーツに出会ってきました』では、スタークフォンテン洞窟を訪問するのが夢だったという書き出しから、「拇指対向」の話題へと展開している。

感想・ひとこと

気楽に読めるエッセイ集。人に話したくなるような話題から哲学的な話題まで、さまざまなテーマで綴られている。

初投稿日:2023年08月07日

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