量子革命
著 者:
マンジット・クマール
出版社:
新潮社
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デカルトの誤り
著 者:
アントニオ・R・ダマシオ
出版社:
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生物と無生物のあいだ
著 者:
福岡伸一
出版社:
講談社
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進化しすぎた脳
著 者:
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出版社:
講談社
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重力とは何か
著 者:
大栗博司
出版社:
幻冬舎
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ブラックホール
著 者:
マーシャ・バトゥーシャク
出版社:
地人書館
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ミトコンドリアはどこからきたかーー生命40億年を遡る

書籍情報

【NHKブックス】
No image
著 者:
黒岩常祥
出版社:
日本放送出版協会(現/NHK出版)
出版年:
2000年6月

ミトコンドリアを切り口として生命進化が論じられる。また、研究エピソードが臨場感あふれる筆致で綴られている。専門用語を用いての解説

本書はまず、生命の起源から論じる。生命は「化学進化」の結果誕生したとする説を紹介し、「太古の地球環境をまねたミラーの実験」や、「RNA世界」などをとりあげる。

最初の生命は、きわめて単純な形をした原核生物だったようだ。始原原核生物の時代が数億年つづいた後、真正細菌ドメインと古細菌ドメインに分岐し、古細菌からさらに真核生物ドメインが分岐したらしい。

著者は、原核生物の基本を解説し、そして、「真正細菌ドメインの系列を歩みつづけた、ミトコンドリアの祖先となる好気性細菌、αプロテオ細菌」の誕生までを描き出す。

つづいて、αプロテオ細菌が共生した「宿主細胞」を考察する。ミトコンドリアの誕生に関する二つの説、「アーケゾア説」と「水素説」を紹介し、著者は「T・カバリエル—スミスのアーケゾア説に従って」論じていく。この説では、「宿主細胞」は、核膜や細胞内小器官や有性生殖を備えた真核細胞であるとするようだ。ここでは、「原核生物からミトコンドリアを含まない真核生物の誕生」や、細胞分裂についてなどが述べられる。

本書の読みどころは、第4章なかば以降と第5章だ。著者は、真正粘菌で「ミトコンドリア核」を発見する。それまでは、ミトコンドリアDNAは「裸」で存在すると考えられていた。しかし著者は、「粘菌のミトコンドリアDNAはタンパク質と結合して高次な「ミトコンドリア核」構造をとって機能していること」を明らかにする。そして、「八年間も続けてきた細胞核の染色体の研究をやめ、ミトコンドリア核の研究者へと転身」する。

この第4章では他に、「ミトコンドリア核タンパク質」を同定する研究や、ミトコンドリアの核分裂のしくみなどが述べられている。このあたりから著者の自伝的な雰囲気が色濃くなり、そのクライマックスが、第5章で「ミトコンドリアの分裂装置」を発見するところだ。それは、「真正粘菌でミトコンドリア核を発見してから二〇年間探し求めてきた」ものだった。

この第5章では、葉緑体(独自のDNAをもつ)にまつわる研究も語られている。また、母性遺伝や、二次細胞内共生(「真核生物の真核生物内への共生」)の話題などもある。

ほかにも多彩な話題が登場する。

ひとこと

専門用語を用いて論じられるので、生物学の基礎知識があるか、かなりの興味があるか、どちらかでないと読み進めるのは大変だと思う。けれども、臨場感あふれる筆致で描かれた研究エピソードは読み応えがある。

初投稿日:2015年07月09日

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