相対性理論入門

書籍情報

【岩波新書】
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著 者:
内山龍雄
出版社:
岩波書店
出版年:
1978年10月
定 価:
本体740円+税

1978年に刊行され、2015年5月で第30刷のロングセラー。好評の〝数式なしの本格派〟入門書

著者は「はしがき」で本書についてこう述べる。「この本は、最後まで落着いて読破しようという熱意と忍耐力さえあれば、相対性理論がどんなものかが必ずわかるという得難い入門書である」と。そして執筆にあたり、「算数の四則以上の面倒な数式は決して使うまいと誓いをたてた。また読者は中学卒業時の知識だけは忘れずに持っているものと想定した」という。

それから、「読者に注文したい大事なことがある」と、つぎのように述べている。

「この本には、小学生でも理解できるようなやさしい数式しか書いてないが、その内容は相対性理論の専門書と同程度に高度のものである。したがって、それを理解できるよう、階段を一歩一歩と登るように、順をおって、丁寧に説き進めた。それを理解するのに右に想定したこと以外の予備知識は不要だが、唯ひとつ、これを読破しようという意志と忍耐だけは絶対に必要である。私はこの本を書くのに、専門書を書いたとき以上に苦心し、また努力した。だから今度は読者であるあなたが努力する番である」

本書は数式なしの解説書だが、つぎのような用語が登場する。いくつか並べてみる。

座標系、慣性系、固有時、ギャリレイ変換、ローレンツ変換、ローレンツ収縮、光速度不変の原理、特殊相対性原理、一般相対性原理、等価原理、慣性質量、重力質量、ユークリッド幾何学、リーマン幾何学、重力場、重力のポテンシャル、計量テンソル、曲率、など。

計量テンソル……このような言葉を目にすれば、この本を読むのをやめよう、と思う人もいるかもしれない。しかし、この本のすごさは、計量テンソルさえ、「階段を一歩一歩と登るように」説明してしまうところにあると思う。本書は、座標系とは何か、物理学とはどういう学問か、というところから説き起こしている。

著者は、数式を用いずに解説するという制約のなか、難解な一般相対性理論にまで、本気で〝はしご〟をかけた。この〝はしご〟をどこまで登れるかは、読者の努力次第ということになる。

上述したように、著者は執筆に苦心し努力したという。そして、今度は読者が努力する番だ、と述べた。著者の心意気が伝わってくる言葉だ。この本気の執筆こそが、本書をロングセラーにしたのだろう。

ひとこと

名著。

初投稿日:2015年12月20日

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