ざんねんな脳 ——神経科学者が語る脳のしくみ

書籍情報

【単行本】
No image
著 者:
ディーン・バーネット
訳 者:
増子久美
出版社:
青土社
出版年:
2017年12月
定 価:
本体1,850円+税

神経科学者であり、スタンダップ・コメディアンの顔も持つ著者が、ユーモアを交えて脳を語る

訳者あとがきによると、原書は、イギリスでベストセラー1位(2017年4月29日付け「ガーディアン紙」より)を獲得したそうだ。

著者のディーン・バーネットは、神経科学者であり、スタンダップ・コメディアンの顔も持つ。本書のエッセイは、そのような著者ならではのユーモアを交えながら綴られている。

本書には多数のエッセイが収録されているが、その中から、まず、「アポフェニア」について説明しているところを紹介してみたい。

アポフェニア。これは、「何もないところに関係性を見出す作用の名称」だそうだ。つぎのような例で説明している。

「たとえば、うっかり下着のパンツを裏返しに履いてしまい、そのあとスクラッチカードでいくらかの賞金を得た場合、それ以降スクラッチカードを買うときには必ずパンツを裏返しに履く。それがアポフェニアである」

パンツの裏表とスクラッチカードの賞金は明らかに無関係だ。だが、脳はパターンを好むため、このような行動をとることになるらしい。たしかに、私たちは縁起をかつぐことがある。世の中にたくさんの迷信があるのは、脳がパターンを好み、無秩序を嫌うからだと考えられるようだ。

では、なぜ脳はこのような傾向を持つのか。脳は、つねに多種多様な情報を受け取っている。その雑多な情報の中から重要なものを選別する方法の一つは、パターンを認識して注目することだという。「脳は終始、観察するものごとの中につながりを探している」。したがって、私たちは「パターンを見つけ出す」という傾向を持つらしい。

また、脳は、「潜在的脅威を考え出すように準備している」という。そのために、私たちはあれこれと心配する羽目に陥るらしい。脳が「心配性」なために、被害妄想に陥ったり、危険でないものに意味もなく不安を抱いたり、というようなことが起こるそうだ。たとえば、「社会不安」は、このような脳の傾向によって生じるものだという。つぎのように記している。

「社会不安は、否定的な結果を予測し心配する脳の傾向が、社会的受容と承認を求める脳の要求と結びつけられたときに生じる」

他にも、多彩な話題がある。ざっと挙げてみると、食欲、睡眠、記憶、恐怖、知能、感覚、注意、性格、怒り、動機づけ、ユーモア、言語、表情、失恋、精神障害、など。

このような脳にまつわる多彩な話題が、ユーモアを交えて綴られている。

ひとこと

ひとつの章には4~5つのエッセイがあり、それによって、その章のメインテーマを浮かび上がらせている。全8章。

初投稿日:2018年07月17日

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