量子革命
著 者:
マンジット・クマール
出版社:
新潮社
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デカルトの誤り
著 者:
アントニオ・R・ダマシオ
出版社:
筑摩書房
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生物と無生物のあいだ
著 者:
福岡伸一
出版社:
講談社
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進化しすぎた脳
著 者:
池谷裕二
出版社:
講談社
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重力とは何か
著 者:
大栗博司
出版社:
幻冬舎
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ブラックホール
著 者:
マーシャ・バトゥーシャク
出版社:
地人書館
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できそこないの男たち

書籍情報

【光文社新書】
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著 者:
福岡伸一
出版社:
光文社
出版年:
2008年10月

「生命の基本仕様」はメスであり、その基本仕様を「カスタマイズ」したものがオスであり、「そこにはカスタマイズにつきものの不整合や不具合がある」

科学者でありながら、小説家をおもわせる卓越した表現力をもつ著者が、いくつもの物語を紡ぎあわせ、そのなかに分子生物学の手法や、「染色体」や「発生」にまつわる知見などを織り込み、「できそこないの男たち」というテーマを描き出したのが、本書だ。

書名「できそこないの男たち」の意味はつぎのようなもの。「生命の基本仕様」はメスであり、その基本仕様を「無理やり作りかえた[カスタマイズ]」ものがオスであり、「そこにはカスタマイズにつきものの不整合や不具合がある」。

では、どのようにして、「生命の基本仕様」としての女性を「カスタマイズ」して男性にするのだろうか? 男性化の鍵を握るのが、通常ではY染色体上に存在している「SRY遺伝子」だという。この遺伝子の発見をめぐる物語が、本書の読みどころのひとつだ。その発見を競った科学者のひとりが、デイビッド・ペイジ、もうひとりがピーター・N・グッドフェロー。

この本は、著者がデイビッド・ペイジの姿を「いち早くとらえようと」するところから始まる。当時「全く無名の」著者がその会場にいることができたのは、主催者の研究室(ニューヨーク・ロックフェラー大学)に雇われていたからだった。本書の最初の物語は、日本の大学院を修了し、ニューヨークを目指す、「酸欠状態に陥って」いた、そして「人生の転機を求めていた」福岡伸一自身の物語だ。これがプロローグ。

ふたつめの物語は、「精子を最初に「見た」男」アントニー・ファン・レーウェンフックの物語。ここでは、顕微鏡についての解説などがある。「レーウェンフックは、肉眼では見えないほど小さな生物がこの世界のあらゆるところに満ちあふれていることを初めて「見た」人間である」という。彼は科学者ではなかった。

つぎは、「男の秘密を覗いた女」ネッティー・マリア・スティーブンズの物語。著者は、1905年にネッティーが発表した論文を苦労して探しだしだ。「精子形成についての研究――付随染色体に注目して――」と題された、30ページの論文で、ネッティーの単著。この論文には「今日、Y染色体と我々が呼んでいる染色体。性決定の遺伝メカニズムが「見えた」瞬間」が記されている。

そして、染色体にまつわる解説があり、そのあとで、「男を男たらしめる遺伝子」の発見をめぐる物語となる。「DNAの相補的構造」や「DNAの追跡」などの解説を織り込みながら物語る。

それから、「発生」について述べ、「生命の基本仕様」である女から男へのカスタマイズの進行を見ていく。また、アリマキの事例をあげて、「メスは太くて強い縦糸であり、オスは、そのメスの系譜を時々橋渡しする、細い横糸の役割を果たしているに過ぎない」と述べる。さらに、統計データを示しながら男が生物学的に「弱い」ことを論じる。そして、Y染色体の多型解析により浮かび上がる「男性のルーツ」を語る。

最後に、ハーバード大学医学部に自分の研究室をもち、「誰もがうらやむポジションだった」ヴィジャク・マダービと、ハーバード大学医学部の「スター教授」だったベルナルド・ナダル—ジナールの物語を綴り、ふたりの転落を、「余剰の起源」という話題に展開して締めくくる。

エピローグでは、「時間」「射精感」「加速覚」をキーワードにしたユニークな考察を加えている。

ひとこと

分子生物学の手法の詳細な解説があるところも、本書の特色のひとつ。

初投稿日:2016年01月05日

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