科学本のなかの言葉–17–(傳田光洋の言葉)

「眼で見た世界では説明がつかないことが、皮膚から考えると理解できる。皮膚が見る世界に思いをはせ、皮膚が語ることに耳を傾けることが、今の私たちに必要だと信じます。」

――傳田光洋

上記の言葉が記されているのは、『第三の脳 皮膚から考える命、こころ、世界』。この本の第三章で、「皮膚も脳である。言わば第三の脳だ」と、著者・傳田光洋は「宣言」する。

私は、とくに第六章がおもしろかった。

第六章では、まず、皮膚の進化から語りはじめ、ヒトはなぜ体毛を失ったのかなどを述べる。そして、傳田光洋は皮膚の定義を、「生命と環境との物理的境界が皮膚である」と拡張し、「境界としての皮膚」を論じる。そこから生命とは何かという壮大なテーマへと論考は進む。その軸となるのが、「開放系の熱力学」。因果律に疑問を投げかける大胆な論考だ。そして、これまでの章の知見を統合して、「皮膚が見る世界」を語る。そして最後にこう述べた。

「眼で見た世界では説明がつかないことが、皮膚から考えると理解できる。皮膚が見る世界に思いをはせ、皮膚が語ることに耳を傾けることが、今の私たちに必要だと信じます」

初投稿日:2017年01月20日
最終加筆:2017年09月10日

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