科学本のなかの言葉–14–(レオナルド・サスキンドの言葉)

「ほぼ間違いなく、私たちはとんでもなく見当違いな描像を持ってまだ混乱している初心者である。そして究極的な実在はまだ私たちの理解のはるかかなたにある。昔の地図製作者が使った「未知の土地」という言葉が心に浮かぶ。発見すればするほど、知っていると思っていることが少なくなる。物理学とはそういうものなのである。」

――レオナルド・サスキンド

上記の言葉が記されているのは、『ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの闘い』。この本は、ブラックホールとは何か、ブラックホールの蒸発とは何か、情報とは何か、エントロピーとは何かを丁寧に解説し、また、一般相対性理論、量子力学、ひも理論のエッセンスを述べ、「ブラックホールに吸い込まれる情報の運命に関する20年以上の知的戦争」を語り尽くした一冊。

「物理学のもっとも大きな進歩は、深く信頼されている原理同士の衝突を思考実験によって解明することで達成されてきた」という。「ブラックホール戦争」も、深く信頼されている物理学原理同士の衝突だったそうだ。著者レオナルド・サスキンドは、つぎのように記している。

「それはアイデアの戦争、すなわち基本原理の間の戦争だった。量子力学の原理と一般相対性理論の原理は常に戦っているように思われた。それらが共存できるかどうかわからなかった」

その「基本原理の間の戦争」について語り続けた本書の、最終章の結びの言葉が、上記の言葉だ。(この後に「エピローグ」がある)

『ブラックホール戦争』は、「ブラックホールの情報問題」に興味がある方をはじめ、ブラックホール、一般相対性理論、量子力学、超弦理論(超ひも理論)、これらに興味をもって読書をしてきた方に、おすすめの本だ。

初投稿日:2017年01月05日
最終加筆:2017年09月07日

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