V.S.ラマチャンドランの本、どれを読む?

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神経科学界のシャーロック・ホームズ!?

幻肢の研究などで知られているV.S.ラマチャンドラン(V.S.Ramachandran)。研究は、脳の一部に損傷を受けて奇妙な言動が生じている患者をとおして行われている。ミラーニューロンの発見の重要性を強調している神経科学者でもある。

「ラマチャンドラン本」のおもしろさは、脳の不思議を〝探偵〟が事件の謎解きをするかのように推察していくところにある。その〝謎〟は、脳損傷患者の奇妙な言動だったり、ヒトとサルを隔てた進化の鍵だったりする。

ラマチャンドランは『脳のなかの幽霊』で次のように述べている。「私が医学というあいまいさに満ちた分野に興味をもったのは、シャーロック・ホームズばりの探索をするところにとても魅力を感じたからだ」

著書はページ数も注釈も多く読み応えがある。ラマチャンドランの神経科学にとどまらない博識ぶりに知的好奇心が刺激される。

V.S.ラマチャンドランの書籍

本記事投稿時点(2014年9月23日)で、ラマチャンドランの著書は3冊(日本語版のみ。雑誌類は除く)

脳のなかの幽霊』と『脳のなかの幽霊、ふたたび』は文庫化されている。

ヒトとサルを隔て、人間らしさをもたらしているものを進化に照らして考察する『脳のなかの天使

脳のなかの天使』は、2013年に刊行された。人間らしさをもたらしていると著者がスポットをあてる脳領域には、ミラーニューロンが豊富に含まれている。ラマチャンドランは、このミラーニューロンを今とても重要視している。本書はミラーニューロンを中心に、進化に照らしながら、人間を特別な存在にしているものを描き出している。幻肢、共感覚、自閉症、言語の進化、芸術などの話題がある。

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脳のなかの天使

新書レベルの分量。ラマチャンドラン本のダイジェスト版的な位置づけ『脳のなかの幽霊、ふたたび

脳のなかの幽霊、ふたたび』(単行本)は、2005年に刊行された。本書は、他の2冊の間に刊行されており、それぞれの要所を少しずつ含み、短く簡潔にまとめられている。他の2冊が分厚いので、ダイジェスト版という位置づけで考えるとよいのではないだろうか。『脳のなかの天使』を読むなら、この本を読む必要はないと言える。2011年5月に文庫化された。

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脳のなかの幽霊、ふたたび

脳の不思議が鮮明に浮かび上がるベストセラー『脳のなかの幽霊

脳のなかの幽霊』は、脳の損傷によって生じる奇妙な症例をつぎつぎと取りあげ、その神経基盤を考察していく。最終章では意識について論じている。一貫した流れがあり、それが脳の不思議を鮮明に浮かび上がらせている。物語的なおもしろさもある。単行本が刊行されたのは1999年だが、まったく古さを感じさせない。ベストセラーでありロングセラーの名著。2011年3月に文庫化された。

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脳のなかの幽霊

V.S.ラマチャンドランの本、どれを読む?

『脳のなかの幽霊』をおすすめ。とくに脳の不思議を知りたい、そんな気持ちで脳の本をお探しの方にぴったり。分厚い本ではあるが、このボリュームがもたらす読後の満足感は「ラマチャンドラン本」の魅力のひとつ。

「同著者なら最新刊」という本選びをする方は多いかもしれない。もちろん『脳のなかの天使』もおもしろいが、こちらはミラーニューロンや進化という観点から書かれている。脳そのものの不思議や「ラマチャンドラン本」の魅力が凝縮されているのは、ベウトセラーとなった『脳のなかの幽霊』のほうだと感じる。

はじめの一冊には『脳のなかの幽霊』を、そして好みのタイプの書籍だったら、次に『脳のなかの天使』を読むのがよいのではないだろうか。あまり読書に時間をかけたくないという方であれば、『脳のなかの幽霊、ふたたび』を。

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脳のなかの幽霊

V.S.ラマチャンドラン profile

脳のなかの天使』より(一部省略して)引用

カリフォルニア大学サンディエゴ校の脳認知センター教授及び所長。ソーク研究所兼任教授。十代の時に書いた論文が「ネイチャー」に掲載された神経科学者。

初投稿日:2014年09月23日

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