天文学者に素朴な疑問をぶつけたら宇宙科学の最先端までわかったはなし

書籍情報

【単行本】
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著 者:
津村耕司
出版社:
大和書房
出版年:
2018年8月
定 価:
本体1,500円+税

恒星、銀河、惑星、系外惑星、地球外生命など、天文学の話題を広く浅く取り上げた本

本書は、「小学生でも思いつくような様々な素朴な疑問について、天文学者が解説していくスタイル」で書かれている。各章の中にある大見出しは、「素朴な疑問」となっている。

最初の見出しは、「地球は本当に丸いんですか?」。つぎは、「地球は回っているんですか?」。このような見出しだけを挙げると、子供向けの本だと思うかもしれないが、ごくふつうの一般書だ。

「地球は本当に丸いんですか?」では、地球が丸いという証拠を5つ挙げている。

1「水平線の向こうからやってくる船は、帆の上から見え始めること」
2「月食の際に月に映る地球の影の形は、常に円形に見えること」
3「見える天体の高度が場所によって異なること」
4「マゼラン艦隊が世界一周を実現させたこと」
5「人工衛星によって撮られた写真の地球が丸いこと」

つぎの「地球は回っているんですか?」では、「慣性の法則」と「フーコーの振り子」について簡単に説明。

ほかに、地球の公転にまつわる話題、地球の内部構造をどのようにして調べているのか、地磁気、など、地球にまつわる話題を紹介している。これが第1章。

第2章では、星にまつわる疑問を解説。私たちの最も身近な星である「太陽」の話から始めている。この章では、核融合反応と星の進化について簡単に説明している。

第3章では、七夕伝説の話を交えながら「天の川」について解説している。また、この章では銀河の種類も説明している。

第4章では、「惑星」の話から始めて、「系外惑星」(太陽系の外にある惑星)を解説する。おもに、系外惑星の発見方法について紹介している。「パルサータイミング法」「ドップラー法」「トランジット法」といった方法による「間接検出」と、「コロナグラフ」という装置を用いての「直接検出」とを説明している。発見方法のみではなく、1990年代の系外惑星の発見についても語られている。

1995年、ミシェル・マイヨールとその学生ディディエ・ケローが、ペガスス座のヘルヴェティオスという恒星の周りで系外惑星を発見した。この系外惑星ディミディウムは、木星の半分ほどの質量をもつ大きなガス惑星で、主星ヘルヴェティオスのとても近く(0・052天文単位)を公転周期4・23日で回っていた。「その近さのため、ディミディウムの表面温度は1000度ほどにも達している」と考えられている。

ディミディウムのような系外惑星は他にもたくさん見つかっている。このような主星のすぐそばを回る木星(ジュピター)のような系外惑星は、「ホットジュピター」という種類として分類されているという。

第5章では、地球外生命について解説。ここでは、「どんな惑星に生命がいる可能性がありますか?」「太陽系の中には生命はいますか?」「太陽系の外の生命をどうやって探すんですか?」、といった疑問に答えている。本書では、各章の最後に「まとめ」が用意されている。例えば、「太陽系の外の生命をどうやって探すんですか?」のまとめは、つぎのようなもの。

「地球大気中の酸素は植物の光合成により作られました。そのため酸素の存在は光合成する生命がいる証拠(バイオマーカー)となる可能性があります。系外惑星の大気を分光観測してバイオマーカーを探すことで、生命の存在を探すことができるかもしれません。」

第6章の章題は「タイムマシンはできますか?」。この章では、エントロピー増大の法則、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)、相対性理論などの話題を紹介している。

ひとこと

各章の最後に、大見出しごとの「まとめ」があるのが親切。各章を読む前に、先に「まとめ」を読むのもいいかも。

初投稿日:2019年01月06日

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