宇宙が始まる前には何があったのか?

書籍情報

【単行本】
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著 者:
ローレンス・クラウス
訳 者:
青木薫
出版社:
文藝春秋
出版年:
2013年11月
定 価:
本体1,600円+税

「無から宇宙が生じる」を論じた全米ベストセラー

「無から宇宙が生じる」というのが本書のテーマ。著者が提示した「無」の定義は二つある。ひとつは、「空っぽの空間(かつて無とみなされていたもの)」。もうひとつは、「空間そのものが存在しないようなもの」

しかし、著者とは「意見の異なる哲学者や神学者たち」は、この定義を「無」とは認めていないようだ。著者は、神学者や哲学者と論争を重ねているらしい。こうした論争が背景にあり、本書ではたびたび「なぜ何もないのではなく、何かがあるのか」という問いが登場することになる。そして、この問いを念頭に置き、科学的発見をひとつひとつ積み重ねるように論じ、「無から宇宙が生じる」という見解を描き出す。

本書で紹介される知見がどんなものかを、ざっと書き出してみる。ビッグバン・モデル、宇宙の幾何学的性質(開いた宇宙、閉じた宇宙、平坦な宇宙)と暗黒物質について、宇宙マイクロ波背景放射、宇宙の加速膨張と暗黒エネルギーについて、インフレーション宇宙論、マルチバースと人間原理、量子ゆらぎ、など。

こうして内容を羅列してみると、宇宙論の本でよく見かける話題を取りあげているのだが、これらの知見を、「無から宇宙が生じる」というテーマを軸にして論じたところが、本書が全米ベストセラーになった理由だろうか。

最後のほうで著者はこう述べる。「量子重力は、宇宙は無から生じてもよいということを教えてくれるだけでなく(この場合の「無」は、空間も時間もないという意味であることを強調しておこう)、むしろ宇宙が生じずにはすまないということを示しているように見えるのである。「何もない」(空間も時間もない)状態は、不安定なのだ」

宇宙のはじまりだけでなく、終わりについても、二兆年後というスケールで論じている。

ひとこと

一般向けの量子力学関連の書籍を読んでいる読者向きの本だと思う。

初投稿日:2015年01月25日

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