強い力と弱い力 ——ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く

書籍情報

【幻冬舎新書】
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著 者:
大栗博司
出版社:
幻冬舎
出版年:
2013年1月
定 価:
本体880円+税

「ヒッグス粒子発見の本当の意義」を解説する

著者は「はじめに」のなかで、「私はヒッグス粒子発見の宣言を聞いて、「自然界は本当に標準模型を採用していたのだ」という驚きと感動をかみ締めました」と、その心境を綴る。この「標準模型」とは何か、数式なしで見えるその全貌に迫っていくのが本書。「質量とは何か」から説き起こされ、「強い力」「弱い力」、南部の「対称性の自発的破れ」、「ヒッグス場」「ヒッグス粒子」などが解説される。これらの解説には、科学者たちのエピソードが織り込まれている。

「天才の物語」を読むようなおもしろさもあれば、長い坂道を上るような学びもある。

「強い力」の解説のクライマックスでは、「距離が遠いほど強く、近づけば近づくほど弱くなる」という性質「漸近的自由性」を、「マイナスの符号」を発見する天才の物語として紹介する。

「弱い力」の解説のところでは、超伝導やマイスナー効果のしくみ、対称性の自発的破れ、ヒッグス場というように途切れのない坂道を上るかのような学びが続く。その間、とても丁寧な解説がなされる。

ヒッグス粒子は「水飴」のようなイメージではないそうだ。ヒッグス場とは何か、ヒッグス粒子とは何かが解説される

メディアでヒッグス粒子が説明されたとき、「水飴」のたとえが用いられた。しかし著者は、「素粒子の研究者の中にヒッグス粒子に水飴のイメージを持っている人はいません」という。ピーター・ヒッグスは、「私は水飴による説明を持ち出されるのが本当に嫌です。水飴の効果ではエネルギーが失われますが、[ヒッグス場による効果は]そうではありません」と発言したことがあるそうだ。ヒッグス場とヒッグス粒子を正しく説明することは、著者の本書執筆の動機となっている。

ひとこと

標準模型を数式ではなく〝言葉〟で知りたいと思う人におすすめ。

初投稿日:2014年09月07日

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