科学本の言葉–29–(佐藤文隆の言葉)
「ぼくは前から、知識にはふたとおりあるといっている。足す知識と入れ替える知識です」
「新しい知識を得たとする。そのとき、自分の知識のおもちゃ箱に新しく一つ加えるみたいなのが足す知識。でもこういう知識はしみ込まない。だが、もともとつまっていたものと入れ替える知識は、しみ込みます」――佐藤文隆
佐藤文隆/艸場よしみ(著)
上記の言葉が記されているのは、『「科学にすがるな!」 宇宙と死をめぐる特別授業』。この本の著者は二人だが、執筆者は、艸場よしみ。本書の佐藤文隆は、いわば登場人物だ。
登場人物としての佐藤文隆が、「いかに生きるか」を「公共」という観点から語っている。人間とは社会的動物であるという観点から語ったとも言える。「死生観」がメインテーマの本だが、社会的であることについて考えてみたい方、また、学びについて考えてみたい方にもおすすめできる本だ。
【単行本】
「科学にすがるな!」
- 著 者:
- 佐藤文隆/艸場よしみ
- 出版社:
- 岩波書店
初投稿日:2017年06月27日最終加筆:2017年09月20日