これが物理学だ!
著 者:
ウォルター・ルーウィン
出版社:
文藝春秋
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デカルトの誤り
著 者:
アントニオ・R・ダマシオ
出版社:
筑摩書房
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宇宙を創るダークマター
著 者:
キャサリン・フリース
出版社:
日本評論社
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意識と自己
著 者:
アントニオ・R・ダマシオ
出版社:
講談社
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物理学者のすごい思考法
著 者:
橋本幸士
出版社:
集英社インターナショナル
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量子革命
著 者:
マンジット・クマール
出版社:
新潮社
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14歳からの天文学

書籍情報

【単行本】
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著 者:
福江純
出版社:
日本評論社
出版年:
2017年7月

中学2~3年生を読者対象とした天文学の入門書

「美しい自然の色合いの背後には、たくさんの不思議が潜んでいるようですね」。そんな話から始まる。「青空」や「夕焼け」といった空の色合いにとって必要なものは? 「少し考えてみてください」と述べて、紙面には「思考タイム」のアイコン。このような問いを発して、読者に考えさせる仕掛けが随所に見られる。(他にも、「復唱タイム」「暗記タイム」など、いくつかのアイコンが登場する)

「青空」や「夕焼け」に必要なものは、「太陽の光(太陽光)」と「空気(大気)」。「空気のない宇宙空間では、空(宇宙)は真っ黒に見えます」と続ける。このような感じで、空はどうして青いのか、朝焼けや夕焼けはなぜ赤いのか、を説明していく。

つぎは、オルバースのパラドックスについて。ここでは、「晩年、寝ても醒めてもオルバースのパラドックスが気になった」らしいエドガー・アラン・ポー(「推理小説の父」)の「推論」も記している。

つづいて、流星と彗星の話。

流星(流れ星)の説明の一部を下記に引用してみる。じつは、この説明は「とりあえずわかりやすさを優先させて、割とよく見られる書き方」をしているそうだ。だが、「専門的には2箇所ほど間違い」があるという。「どこでしょう」と著者は問いかけて、また「思考タイム」のアイコン。

では、説明箇所を引用してみる。

「流れ星(「流星」)は地球周辺の太陽系の空間にある微小なチリや小さな石ころが、地球に落下してきて、大気との摩擦で熱せられ、蒸発しながら光り輝く現象です。比較的大きなチリだと、明るさも非常に明るくなり、「火球」や「大火球」などと呼ばれ、ときには煙のようにたなびく「痕」を残すこともあります。さらに非常に稀に、蒸発しきれなかった塊が地上まで到達したものが「隕石」です。……略……」

「専門的には2箇所ほど間違い」の一つは、「地球に落下してきて」という部分。もう一つは、「大気との摩擦で熱せられ」の部分。後者については、こう記している。「摩擦もまったくなくはないでしょうが、圧倒的に働くのが「断熱圧縮」と呼ばれる現象です」。まず、この「断熱圧縮」を説明する。その後で、前者について説明。

他に、天体の撮影について、日食と月食について紹介している。これが「パート1」のおもな内容。

「パート2」は、「アポロ計画」の話題から始める。アポロとかアポロ計画とは、「一言でいえば、冷戦の産物といってよいでしょう」と記し、冷戦の話から説き起こす。ここでは、ケネディ大統領の言葉、アポロ陰謀説、「アポロが持ち帰った月の石」などを紹介している。他に、「かぐや衛星の月探査」、月の起源、など、月にまつわる話題がある。

月の話題の後は、太陽に関する話、「はやぶさ」の話と続く。

「はやぶさ」について、こう記している。「はやぶさ探査機については、サンプルリターンという科学ミッションだけでなく、イオンエンジンの実証・実用化という側面もありました」。それぞれ簡潔に説明している。

そして、「冥王星と八惑星」を紹介する。ここでは、名称にまつわる雑学的な知識を盛り込んで解説している。

これが、「パート2」のおもな内容。

「パート3」では、まず、星の一生とブラックホールについて概説。とくにブラックホールの話題が多め。ホワイトホールとワームホールについても紹介している。その後で、銀河系について解説。

「パート4」では、ダークマターとダークエネルギー、系外惑星と地球外生命、「ゴルディロックス問題」などを紹介している。

ゴルディロックスについて、こう記している。「この宇宙のありようが、生命の存在にとって〝ちょうどいい〟ように調整された状態になっていることを、天文では〝ゴルディロックス〟という言い方で表現します」。ゴルディロックスは、イギリスの童話「ゴルディロックスと三匹の熊」に出てくる女の子の名前とのこと。童話の内容もごく簡単に記している。

最後に、「番外編 天文や宇宙が学べる進路とお仕事」がある。

ひとこと

SFの話題、著者自身のエピソードなどを交えながら解説している。

初投稿日:2018年12月15日

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