2025年9月に当サイトに追加した書評・レビュー
2025年9月に当サイトに追加した書評・レビューをお知らせします。
『エントロピーをめぐる冒険 初心者のための統計熱力学』(鈴木炎)
科学者の物語を織り込みながら、エントロピーを軸に熱力学・統計力学の知識を紹介する。「理系の高校生」をおもな読者に想定した解説。
『アイドリング脳 ひらめきの謎を解き明かす』(井ノ口馨)
研究者としての自身の歩みや思考を交えながら、記憶やひらめきに関する研究成果を紹介する。
『生命と時間のあいだ』(福岡伸一)
福岡伸一の生命論・文学論・時間論に触れられるエッセイ集。さまざまな作品を読み解きながら、時間、生命、自己、記憶について持論を展開する。(日付が変わってから投稿したので、更新日は10月1日)
追加した書評は以上3冊です。
他に、記憶研究で著名な井ノ口馨の著書のまとめを最新情報に更新しました。
井ノ口馨は、富山大学卓越教授。「2023年11月に、イギリスの王立協会(The Royal Society)に招かれて記憶研究やアイドリング脳について講演」(『アイドリング脳』)を行っています。
『アイドリング脳』は、研究者の思考が垣間見えるので、この分野の研究者になりたい方にはとくにおすすめできます。約160ページなので、気軽に読み始められる本です。
『生命と時間のあいだ』には、さまざまな作品が登場します。書評ページに書きましたので、ざっと目を通してみてください。丸谷才一の『笹まくら』と津島佑子の『ジャッカ・ドフニ』については、物語の内容に深入りしながら丁寧に紹介されています。
『エントロピーをめぐる冒険』は、「理系の高校生」をおもな読者に想定した解説なので、高校時代に文系を自認したこの分野の知識をもたない読者なら、難しいと感じるのではないかと思います。私が望んでいたような文系の初心者向けの入門書ではありませんが、科学者の物語はおもしろく読めます。
(追記)
『エントロピーをめぐる冒険』は、熱力学をテーマに読書しようと思って最初に手にした本でした。その後、いくつか読んでいるうちに、本書は〝とても入門書的〟と思うようになりました。文系の初心者向けの入門書という印象を私はもちませんでしたが(そこは変わりませんが)、ほどよいボリュームで、科学史的な記述と物理の解説のバランスがよいので、構成と内容はとても入門書的だと思います。理系の素養をもつ一般読者なら、「理系の高校生」をおもな読者に想定している本書を入門書とするのも良いかもしれません。
なお、熱力学をテーマに読書した際に私がセレクトした本は、熱力学の本、どれを読む? 宇宙の終わり、生命、時間の矢というレビューでまとめて紹介しています。
(追記、終)
10月も熱力学の本を読む予定です。
































