宇宙は無数にあるのか

書籍情報

【集英社新書】
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著 者:
佐藤勝彦
出版社:
集英社
出版年:
2013年6月
定 価:
本体720円+税

インフレーション理論の提唱者である佐藤勝彦が、「人間原理」を軸に、宇宙論のめぼしい話題を紹介したもの。マルチバースの話題もあり

第1章は、宇宙論のめぼしい話題を概説する。第2章は、暗黒物質(ダークマター)とダークエネルギーがおもな話題となる。ダークエネルギーの謎は、真空エネルギーの話題とともに紹介される。

第3章は、「人間原理」について。ここでは、マーティン・リースの著書『宇宙を支配する6つの数』で挙げられた「6つの数」が紹介されている。これらの数は、私たち人間のような生命体が生まれるように都合よくできているという。

また、人間原理の発展を辿りながら、「弱い人間原理」と「強い人間原理」を概説する。ロバート・ヘンリー・ディッケは、「平坦性問題」を人間原理で説明しようとしたという(ただしディッケは人間原理という言葉を使用していないそうだ)。人間原理という言葉を初めて公式の場で使用した人物は、ブランドン・カーターのようだ。

第4章は、著者佐藤勝彦の研究史を辿り、「インフレーション理論」にまつわる話題をとりあげる。著者は、中性子星や超新星爆発の研究に取り組み、「ワインバーグ=サラム理論」に出会う。この理論で「真空の相転移」を知り、それを宇宙論に応用し、インフレーション理論をつくりあげた。インフレーション理論は「平坦性問題」を解決する。また、「ヒッグス粒子の発見」は、真空の相転移を裏づけたことに「大きな意義」があるという。

第5章は、マルチバースの話題。インフレーション理論のマルチバース、超弦理論(超ひも理論)のマルチバース、量子力学の「多世界解釈」、マックス・テグマークの「並行宇宙論」を紹介している。スティーブン・ワインバーグは、マルチバースを前提にして人間原理を主張したそうだ。

第6章は、太陽系外惑星や地球外生命の話題に触れながら、人間原理を考察する。物理学者のあいだでは、人間原理の肯定派と否定派による対立があるようだ。著者は「人間原理を批判する」立場に「深く共感」しているという。

「あとがき」によると本書は、著者佐藤勝彦が口述し、それをライターの岡田仁志が文章に起こしたもの。

ひとこと

書名からはマルチバースを中心に解説した本という印象を受けるが、本書は人間原理を軸に、さまざまな宇宙の話題を紹介したもの。

初投稿日:2015年04月22日

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