働かないアリに意義がある

書籍情報

【メディアファクトリー新書】
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著 者:
長谷川英祐
出版社:
メディアファクトリー
出版年:
2010年12月
定 価:
本体740円+税

アリやハチなどの真社会性生物の世界を、ときに私たちヒト社会にたとえながら解説した話題作

働き者の代名詞のようにいわれるアリだが、「7割ほどのアリは巣の中で何もしていない」という。この俗説とのギャップだけでも興味を引くが、その「働かないアリに意義がある」と言われれば、どんな意義があるのか知りたくもなる。これは秀逸なタイトルだと感じた。

働かないアリの意義は、第2章までで明らかにされる。「上司」のいないアリやハチの社会で、働くものとそうでないものはどのようにして分かれるのか。反応閾値というムシたちの「個性」がやさしく解説される。

さらに、その「個性」の必要性も語られる。コロニーには卵の世話など短い時間でも途切れてはいけない仕事があり、またアリやハチにも「疲労」があるそうだ。こうしたことからコロニーの存続のためには「個性」が必要だという。

第3章では、アリやハチなどの利他行動の謎に迫る。「血縁選択説」や「群選択説」が紹介されている。

他には、さまざまな社会寄生や、驚くような生殖などが紹介されており、生物のもつ残酷さや生命の不思議が浮き彫りになっている。

著者は序章で、「本書を通じて真社会性生物の世界を、初心者の方にもわかりやすく紹介するのが目的です」と述べている。ムシの社会を、ときに私たちヒト社会にたとえながら解説した話題作。

ひとこと

私たちは多細胞生物であるが、この「個体」を、「細胞を単位とする群れ」として考察するところも面白い。

初投稿日:2014年12月23日

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