これが物理学だ!
著 者:
ウォルター・ルーウィン
出版社:
文藝春秋
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デカルトの誤り
著 者:
アントニオ・R・ダマシオ
出版社:
筑摩書房
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宇宙を創るダークマター
著 者:
キャサリン・フリース
出版社:
日本評論社
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意識と自己
著 者:
アントニオ・R・ダマシオ
出版社:
講談社
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物理学者のすごい思考法
著 者:
橋本幸士
出版社:
集英社インターナショナル
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量子革命
著 者:
マンジット・クマール
出版社:
新潮社
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わたしの すきな もの

書籍情報

【単行本】
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著 者:
福岡伸一
出版社:
婦人之友社
出版年:
2019年2月

『婦人之友』で連載された気楽に読めるエッセイをまとめたもの

「本書は、『婦人之友』2016年1月号~2018年10月号に掲載された中から33篇と対談を加筆・修正したものに、書き下ろしの「光る泥団子」(42ページ)を加えたもの」とのこと。

対談は「恐竜の謎、生命の不思議」という題で、著者である生物学者の福岡伸一と古生物・恐竜学者の真鍋真が対談している。

内容は書名のとおりで、著者の「すきなもの」について綴っている。昆虫をテーマにしたエッセイがいくつかあるが、生物学エッセイ集という感じではなく、NDC分類も「914.6」(「日本文学」の「評論、エッセイ、随筆」)。自然科学の本として分類されていないが、福岡伸一の本ということで、ごく簡単に紹介することにした。

当サイトは自然科学の本の紹介サイトなので、まず、福岡伸一の最重要ワードである「動的平衡」にまつわるエッセイを紹介したい。

今回は「落款」をつくる話から、動的平衡の世界観をごく簡単に綴っている。この落款のデザインは、(このレビュー執筆時点で)婦人之友社のWEBサイトでも見ることができるが、著者はこの落款について「流れゆく水の渦巻き紋様にも、あるいは糾える縄模様にも見える。まさに動的平衡ここにあり」と綴っている。

動的平衡については、こう綴っている。「動的平衡とは、絶えず動きながらバランスを作りなおす営みのこと。私はそれが生命の一番大切な特性だと思っている。」(この後、もう少し説明が続く)

書き下ろしの「光る泥団子」は、つぎの二つの問いから始まる。

「第一問 土はなぜ黒いのでしょうか。」
「第二問 土の歴史は5億年。それはどんな意味を持つのでしょうか。」

この質問の後、地球誕生からの壮大な話が簡潔に綴られていく。

エッセイタイトル(テーマになる「すきなもの」の写真付)で1ページ、文章が2ページの気楽に読めるエッセイ。

ひとこと

書籍情報下のキーワードは一応「生命」としたが、もちろん「生命」について興味を持っている方が選ぶエッセイというわけではない。でも、このエッセイによって、「生命の一番大切な特性」と著者が語った「動的平衡」に興味を持った方もいるのではないだろうか。たびたび語られているので知っている方も多いと思うが、はじめて目にした方、そしてもっと知りたいと思った方には、『生物と無生物のあいだ』をおすすめしたい。

初投稿日:2020年05月17日

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